ノルウェー ベルゲン鉄道・フロム鉄道の車両(2015年7月) | 模工少年の心

   家族に、北欧3国を回るツアーに参加した人がいます。

「友人と行ってくる」と言われたときは、「あ、そう」と素っ気ない返事で返した記憶があります。そして、2015年7月、出発日が近づいてきたある日、そのツアーが、何とノルウェーで、美しい景観の中を走ることで名高いベルゲン鉄道、フロム鉄道に乗車するプランであることを知りました。

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   それで、まあ、とにかく、8日間の海外旅行を楽しんで、無事帰ってきたわけですが、お土産代わりに写真を撮ってきてくれましたので、この度、写真を引っ張り出して、乗車したときの様子をレポートにまとめてみました。

 

 まず、ノルウェーの鉄道は、所有と運営が分離していて、ノルウェー鉄道庁所有のもと、民間会社のノルウェー鉄道が運営にあたっています。そのためか、日本語版のガイドブック等では、◯◯線、◯◯鉄道と、両方が使われています。

 2つの路線は、世界でも屈指の乗って楽しい鉄道であり、多くの海外の鉄道ファンに人気の路線です。

 

 なにしろ、列車に乗るのは好きですが、鉄道に関する知識はほとんどないので、撮ってきた写真について、聞き取りをしながら撮られた場所等を推定しました。

 行程表によると、「7月28日、ツアー第4日目、前日宿泊したオスロからバスでベルゲン鉄道のヤイロ駅まで行く。(247km)  ヤイロ駅からベルゲン鉄道でミルダール駅(ママ)まで移動。ミルダール駅からフロム鉄道でフロム駅まで乗車。」となっています。 

 各駅の位置関係は、下の路線図のようです。

ヤイロ駅にて

 

   観光バスでヤイロ(Geiro)駅まで来て、フロム鉄道の分岐するミュルダール駅まで、ベ.ルゲン鉄道に乗車。

  Geiroと綴って「ヤイロ」と発音するのが、英語と少し違っていて、慣れないとわかりにくいです。

 

  時刻表では、オスロ〜ベルゲン間を直通する急行列車が、日中4本、夜行1(土曜運休)あり、コンフォートクラス(ゆったりシート)車両、カフェテリア付で鉄道旅が楽しめそうです。

 

  ベルゲン鉄道を走っている車両は、El18型交流電気機関車+ Vy Class 73型客車です。(Eは大文字、Lは小文字のようです。)

 

ヤイロ駅の木造駅舎

ヤイロ駅にEl18型電気機関車の引くベルゲン鉄道の列車が入線

車窓からの美しい景色

  天賞堂のHPに「いちかわのWorld Railway」という連載記事があり、第17回、スイス連邦鉄道のRe460型電気機関車について書かれています。 

   その記事によりノルウェー鉄道El17の素性を知ることができます。

 

「この機関車(Re 460)が、完成し、お目見えしたのは、今から去ること約13年前の19901112日で、場所はチューリッヒにあるABB社・エリコン工場内でした。

当時における、スイス連邦鉄道(SBB)は、来る21世紀の鉄道事業に対する将来性を見据え、ハイレベルで、理想的な完成された輸送事業を展開するべく努力の真っ只中の状況下であり、 "Bahn 2000"(鉄道2000年)と称されたビック・プロジェクトが推進中でした。

デザインおよび技術的なセンスが高く認められたため、Re460ファミリーとしては、他に、同じスイス国内最大私鉄、BLS(ベルン・レッチュベルグ・シンプロン)鉄道のRe465型(18両)、ノルウエー国鉄(NSB EL18型=22両)、フィンランド国鉄(VR Sr2型=22両)、そして中華人民共和国の九廣鉄路(2両)にそれぞれ導入され、ワールドワイドに活躍中です。」

   ここまでの引用は、ほんのさわりです。市川工さんの博識ぶりが伺われます。

 

ミュールダール駅からフロムへ

 

 高原を走ってきたベルゲン鉄道は、フロム鉄道の分岐駅、ミュールダールまで来ると、周囲は険しい山の景観に変わっています。 

走り行くベルゲン鉄道の列車

 ミュルダール駅の案内表示
フロム鉄道線に乗り換え

フロム鉄道B3型客車

   ミュールダールからフロム鉄道に乗り換えると、氷河観光の乗船場のあるフロム駅まで、急勾配の中を、トンネルを抜け、谷間を縫うように走り抜けていきます。また、途中のヴァトナハルセン駅では、ショースの滝の乙女の姿を見るため停車します。

 
 

 

 フロム鉄道を走る列車は、ベルゲン鉄道を走っていたのと同じEl18型電気機関車が牽引する濃緑に塗装されたNBS B3型客車列車です。

 フロム鉄道に配置されているEl18の側面には、氷河の絵とともに「SE NORGE TA TOGET」とノルウェー語で書かれていています。「列車に乗ってノルウェーを観よう」というような意味です。

 なお、以前は、1982年と1987年にドイツ、ヘンシェル社で製造されたEl17型電気機関車が配置されていて、2015年当時も健在だと思っていました。すべて廃車になってしまったのでしょうか?(1両がミュールダール駅近くに静態保存されていると聞いています。)

 

ィヨルド観光船上から

 

 ブログをまとめるために、旅行ガイドブックやネットで調べていると、やはり、自分も行ってみたかったなあ、との思いが深まりました。

 そして、観光は従で、乗車が主の鉄道旅行ならば、やはり、オスローベルゲン間を全線乗車したいところです。ベルゲンは、私が大好きな作曲家グリーグの家のあるノルウェー第2の都市でもありますので。

 しかし、庶民には、格安なツアーででもなければ、家計の面から、また語学力の面からも、とても難しいと言わざるを得ません。そすらも、厳しいです。

 

(おまけ)オスロ市内のトラム(現地名 Trikk)

 

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