経済学の始めは、イギリス、スコットランド生まれの18世紀に活躍したアダムスが1776年に著した「国富論」にあることは、よく知られている。
アダム・スミスが考えたのは、「豊かさの源泉は労働の価値にあり、生産性を高めることが重要である」と、かつて学んだことをそんな調子で記憶している。
もちろん今日まで、250年あまりの年月が流れて、さまざまな経済理論が生まれ、経済学の発展に尽くされてきた。
もう、アダムスミスだけでは、社会経済の有りようを分析することはできないことぐらいは分かっている。
暦の上では5月2日から6日まで5連休となる今年の大型連休は、関東地方では、天気予報が微妙にはずれて、行楽日和になったが、今日、4日からは、そろそろ、帰宅する人達の混雑が始まっているそうである。
年度の変わり目の4月の多忙期を乗り越えて、行楽に出掛けられた人達には良かった。
しかし、ここ数年、私自身は、この連休に遠出することは、久しくしなくなってしまった。
皆んなが楽しく過ごすこの時期は自分もあやかりたいとも思うのだが、なんだか、人の懐を見透かして、通常料金とはあまりに違う宿泊料金を設定する旅館やホテルの経営姿勢に接すると、出掛けたい意欲を削がれるのである。
大型連休中は、むしろ、わざわざ混雑する中を足を運んでくれるお客様に対しては、通常より宿泊料金は安くしてもいいのでは?とも思ってしまう。
こんな考えでは、「希少性」に一番の価値づけをして、収益を上げることに奔走する、日本というか世界の趨勢に遅れてしまう。
それは分かっていても、やはり釈然としない。
先日も、東急線のデジタルサイネージ広告で、「小学生に対して、メルカリで、どういう価格設定をするかの実践教育をさせるべきである」と説いていた。
そういう実業家の方々は、現状、小学校5年生の家庭科で、「お金の使い方や物の選び方について、賢い消費者となるための学びがどのように展開されているのか」を知っているのだろうか。
小学校5年生で付ける学びの力は次のとおり。
- お金や物を計画的に使う考え方をもつ
- 品物の情報を集めて比べ、本当に必要なものが選べるようになる
- 自分の買い物が家計や環境にも関わっていることに気付く
いっとき、高く売り抜けてラッキー!という成功体験が、勤労の努力を軽くみて、後々高い代償を払うことにならなければいいのだが、と危惧する。
余計なことかもしれないが。
話は、宿泊料金の話に戻して、大型連休などでも、料金の変動があまりみられないのが、ビジネスホテル。
豪華な大名旅行や、賑やかに家族でワイワイガヤガヤ過ごしたい宿泊客を念頭に置くことなく、静かに、だれかれにに邪魔されずくつろげて、こざっぱりと簡素な朝食を提供するビジネスホテルの頑固とも言える営業姿勢は特筆ものだと思う。
一つ願うとすれば、(これはホテル側に対してはではなく)、一部の小さな子ども連れの方に対してのことなのだが、ビジネスホテルに泊まっているところをとらえて、物事にはTPOがあることの学びの場にもしてほしいと思うこと。
行儀の良い子を見かけると、心が休まる。
5月3日、田園都市線の用賀駅が最寄りの世田谷美術館に行ってきた。
企画展は、田中信太郎さんという、前衛美術家の立体作品の展示。
創作に向きある語りがあって、静かに作品に向き合うことができた。
常設展は、世田谷区在住の向井潤吉さんの油彩画と写生地の写真パネルなどの展示。
遠出せずとも、休日を楽しむことはできると、あらためて実感した次第。



