以前、カルチャーで読んでいた、当方所蔵の天保5年12月~天保6年3月の「道中記」。主人公の会津の住人たちは、伊勢参詣を終え、熊野、高野山など活発に旅行中です。

で、面白い記事の1つは大坂見物。長町の有名な旅籠屋さんは1泊200文。東海道筋などに比べ割高ですが、宿泊中のケアや大坂見物のガイドを斡旋してくれるなど、サービスはよい。ちなみにこの旅籠は『東海道中膝栗毛』でも、そのサービスのよさを確認できます。

 

さて、一行は、大坂城や新町遊郭、豊国神社など名所を堪能し、最後は道頓堀で、大芝居見物。木戸賃、升形賃で300文以上。豪華ですな。ちなみに座布団は旅籠がサービスで貸してくれます。それでもやはり都市の観覧はお金がかかるね。

 

ところで、一行、大坂見学をしながら、名物「砂場のそば」を食しているが、ここはうどんも蕎麦も、8文(天保6年当時)。江戸は固有名詞化もしれませんが「二八そば」(2×8=16文)。受講生一同、「安い・・・(゚Д゚;)」。あ、この庶民向け食事代の値段の差は現在にも引き継がれているのかな・・・・

 

そういえば、この時期、大坂を含め、全国的におそった、天保の大飢饉の時期。大坂での事情はどうだったのかも気になります。そしてこの2年後、かの有名な大塩平八郎の乱が起こるわけですね。