新入社員を送っていく機会があった。


車の中での話題は「日本の戦後の成長ののなぞ」



原子爆弾が落とされ、何もない中からどうして今のような経済成長ができたのか?


先日私も、街を見ながら疑問になった話題がインド人から出た。



私から「日本の話はいろんな本になっているから読んだらわかるかもしれないけど、


インドがなぜ今まで経済成長があまりなかったのか教えてくれないか」とこちらからの質問に変えた。


答えは一言「改革を望まなかったからだよ」


変化、改革、を望まなかった。


世界の情報もあったけど、そんなに頑張って今の生活を変えようとはあまり思っていなかった。


今の政権ができるぐらいから、変革を求めるようになった。


それによって経済成長が大きく動き出している、という。



そういえば日本は戦後、改革、経済成長の目標を作り、それに向けて成長してきた。


目標があった。先進国のような生活を夢見て走ってきた。


その結果、今は年間3万人以上の自殺者が出ている。


目標を無くした日本は今も進むべき道が見いだせないでいる。


何が幸せなのかがわからない人と、


幸せの基準を自分で作って、それ以外は幸せでないと、


自分で自分を規定している日本人が多くなりすぎている。



インドの今は、変化を求め、目標が出てきて、先進国と言われる国のような生活をしたいと


インド全土の人たちが思い、動きだしたところであろう。




しかし、経済成長もどのような成長過程の筋道を作るのか、失敗例を学んで進んでほしいと思う。


インド経済が本当に全体として動き出すにはあと数年かかるであろうが、


経済成長によって、どんどん西洋化だけされる文化にはなってほしくない


あくまでもどこかの部分は「改革を望まない文化」を残してほしいものである。




私が送って行った若者は、日本人の老婆心には共感できないらしく


土曜日は毎週休日になりませんか、先進国のようにと言われてしまった。


現実的な問題である。


何とか言っても安い労力をあてにして、インドに進出してきた会社である。


難しいことを言うより、先進国のように余暇がほしいと言われると、


何も言えなくなった。