『お金の流れが変わった!』(03) 新・大前研一名言集(199) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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『お金の流れが変わった!』
新興国が動かす世界経済の新ルール
PHP研究所 2011年1月5日 第1版第1刷







<目次>
第1章 超大国「G2」の黄昏
 Ⅰアメリカ-「唯一の大国」はいかにして崩壊したか
 Ⅱ中国-バブル崩壊はいつやってくるか

第2章 お金の流れが変わった!
 Ⅰ「ホームレス・マネー」に翻弄される世界

 ⅡEU-帝国拡大から防衛のシナリオ
 Ⅲ新興国ー21世紀の世界経済の寵児

第3章 21世紀の新パラダイムと日本
 Ⅰマクロ経済政策はもう効かない
 Ⅱ市場が日本を見限る日

第4章 新興国市場とホームレス・マネー活用戦略
 Ⅰ新興国で成功するための発想
 Ⅱ日本経済再成長の処方箋




メキシコで開催されたG20が閉幕し、野田首相は今日
(6月20日)帰国しました。


国際舞台でも税制改革を公約し、現政権が責任を
果たすことを明言しました。


民主党内での政策論争が解決していない中で、
民主・自民・公明3党合意をもって強引に消費増税を
推し進めていくのでしょうか?


「社会保障と税の一体改革」は、またもやお題目に
過ぎなかった、ということなのでしょうか?


そうだとすれば、国民に対する裏切り行為と言われても
仕方がありません。


それでなくとも、民主党が自民党から政権を奪還した
際にマニフェスト(政権公約)に消費税増税は書かれ
ていません。


「議員定数削減」や「公務員の人件費削減」、
「1票の格差是正」には全く手を付けず、すべて
先送りしようとしています。


前与党自民党の政策と何ら変わりません。


以前、私が読んだ本の中で、大前研一さんは
「自民党Aと自民党B」という表現をしていました。
民主党は自民党から独立した党ですから何をか
言わんや、ということです。言い得て妙です。




 
第2章 お金の流れが変わった!
 Ⅰ「ホームレス・マネー」に翻弄される世界





この本のタイトルになっている『お金の流れが変わった!』
から大前さんの鋭い指摘を見てみることにしましょう。


「ホームレス・マネー」とは何なのか? 

このマネーの問題点は?

どう対応したらいいのか?

こうした点に注意しながら読んでいきましょう。







 ホームレス・マネーとは、投資先を探して世界を

 さまよっている、不要不急で無責任きわまりない

 お金のことだ。

 その額は、最盛期には約6000兆円にまで

 上ったが、リーマン・ショックで各国の株式市場

 が軒並み暴落し半減。

 現在は約4000兆円にまで回復している。

 (中略)

 ホームレス・マネーはウォール街の(一部は

 ロンドン、エディンバラ、シンガポール、香港

 などにも分散)、わずか600人ほどのファンド

 マネジャーによって組織的に運用されている。

 運用といってもそのじつは、アセット・アロケー

 ション理論に基づいてプログラム売買するにすぎ

 ない。

 いわば彼らは巨額の資金を使ってマネーゲームに

 興じているのである。

 (中略)

 21世紀の世界経済は、ホームレス・マネーという

 神出鬼没の巨大なカネに翻弄(ほんろう)されざる

 をえなくなった。

 もはやマクロ経済政策は旧世紀の遺物といっても

 過言ではない。

 国家はもとより、企業も個人も、このカネの性質と

 流れを正確にとらえなければ、一夜にして泣きを

 見ることになるのである。

                
(今日の名言 03  通算 499 )






ホームレス・マネーについて、次回以降もじっくり
大前さんの考え方を見ていくことにしましょう。





上記記事は2012年6月20日のものです。


大前さんの本を読んでいつも感じることは、
物事の本質を的確に見通す目です。


なぜ、大前さんはこのような鋭い目を持っている
のでしょうか?


私が考えたことは次のとおりです。
大前さんの経歴を振り返ってみることが鍵です。


大前さんは評論家ではありません。
まず、この点に留意するべきでしょう。


大前さんは経営コンサルティングファームとして、
世界最高と言われる米マッキンゼー・アンド・
カンパニーの本社常務を歴任するなど、
頭がキレる人物であることは言うまでもありません。


早稲田大学理工学部を卒業後、東京工業大学大学院
に進み、修士を取得し、日立製作所に入社しました。


日立製作所に勤務していた時に、MIT(マサチュー
セッツ工科大学)に留学し、原子力工学の博士号を
取得しています。


日立製作所時代には、高速増殖炉もんじゅの設計を
していたそうです。ですから原発の危険性を熟知
しています。


その後、日立製作所を退社し、米マッキンゼーに
転職しました。原子力工学の技師から経営コンサル
タントへの華麗な転身でした。


マッキンゼーに勤務して数年して、30代になって
初めて書いた本が、『企業参謀』です。


この本は、現在、講談社文庫に入っていますが、
まさに超一流の経営コンサルタントならではの、
ものの考え方を独自の切り口で語っています。


この本は、その後、英訳され海外で出版され、
米国の大学でテキストとして使われたそうです。


名著だと思います。



大前さんは、年齢が私より一回り(12歳)上です。


私が『企業参謀』を読んだのは30歳頃でしたから、
大前さんは40代になっていました。その頃には
大前さんはすでに著名人でした。


この本のベースになっていることもそうですが、
大前さんは机上の空論を並べるのではなく、
疑問がわいたら、現地に足を運び、自分の五感を
フルに使って徹底的に調べます。


その上で、ロジックを駆使して、独自の考え方を
構築します。他人が書いた本を読んで分かった気
には、決してならないのです。


私はその気になってしまうことが、多々ありますが
(苦笑)。


事実を見て、徹底的に考えて、自分の考え方を提示
します。


大前さんの本を読むと分かりますが、他の人が書いた
同様の内容はほとんどありません。


大前さんは「自調自考自動(自分で調べ、自分で考え、
自ら行動する)」の人です。


なかなか実行することは難しいですが、大前さんを
手本にしています。


今までに何度も書いていますが、大前さんは、
私にとってメンター(師匠)であり、グールー
(思想的指導者)です。


この気持ちは一生変わらないでしょう。







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