中村修二・米カリフォルニア大学
サンタバーバラ校教授の
ノーベル物理学賞受賞に際して
とても嬉しいニュースが飛び込んできましたね!
私はとても嬉しく思いました。
日本人として22番目のノーベル賞受賞者に、
中村修二・米カリフォルニア大学サンタバーバラ校
教授が名を連ねました。
中村さんと同時受賞の、赤崎勇・名城大学終身教授
と、赤崎さんの教え子の天野浩・名古屋大学大学院
教授のお二方のことは、報道で初めて知りました。
中村さんが青色発光ダイオード(LED)を長時間
発光させる技術を開発する以前に、青色を短時間
発光させた研究者がいたことは、聞いたことが
あります。
その研究者がお二方だったのですね。
私は中村さんの本を数冊読んでいましたので、
青色発光ダイオードの開発秘話や、勤務先だった
日亜化学工業との訴訟と、判決などについて非常に
憤りを感じていました。
青色発光ダイオードの開発当時から、
「ノーベル賞受賞確実」
とさえ言われていました。
ところが、裁判では実質的に敗訴しました。
そのあたりの話は、ブログで書きました。
『医師、看護師、薬剤師の秘密』(23)
医療の限界とは何か?(2)
(2014-08-26 21:20:08)
の後半で、書いています。
その一部を掲載します。
青色LEDが開発されていなかったために、
光の三原色ができず、あらゆる色彩の光を
生み出すことができていませんでした。
中村修二・米カリフォルニア大学サンタバーバラ校
教授は、実質的に一人で青色LEDを開発しました。
市販の装置をそのまま使っていては、青色LEDは
開発できないと分かると、中村さんは自ら装置を
改良し、青色LEDを開発したのです。
さらに、同じく先にノーベル医学生理学賞を受賞した、
山中伸弥・京都大学教授は、『日経ビジネス』の
インタビューで、日本の研究者たちの厳しい状況に
関連して、中村修二さんにも言及しています。
そのインタビューの一部を引用しブログに書いたもの
をご紹介します。
日経ビジネスのインタビュー(59) バックナンバー(58)
(2014-01-26 20:38:08 )
● 2011.10.10
(No.2)<240>
研究者を「憧れの職業」に
山中 伸弥(やまなか・しんや)氏
[京都大学iPS細胞研究所長]
日本が生きていく大きな道の1つは科学技術立国だ
と考えています。研究者や技術者はみな、
科学技術立国たる日本を背負っているのだと自負
しています。若くて柔軟な人が次々と研究に従事
するようになれば、もっと伸びていくでしょう。
ただ、理系離れは深刻です。日本では研究者の地位
があまりに低い。若い人たちに研究者が魅力的な
仕事に見えていません。このままでは担い手が
いなくなってしまうと懸念しています。
米国は日本の逆です。医師よりも研究者の方が
社会的地位が高い。ハードワークなのは日米同じ
ですが、ちゃんとした家に住んで、ホームパーティー
を開いて、楽しく暮らしている人が多い。
給料そのものも高く、ベンチャー企業とのつながり
も強い。ですから、米国では研究者が憧れの職業
なのです。
中村先生(中村修二氏、青色発光ダイオードの開発者、
現カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授 注:藤巻)
は勇気を持って、当然の権利を主張したと考えています。
その彼が、今は米国で教壇に立っている。
日本人としては寂しいことです。
すごい技術を開発した研究者に、日本の若い人たちは学び、
後に続くことができたら、どれだけ素晴らしいことか。
研究は、最初から社会の役に立つようにしようと
意識しすぎると、浅いものになりがちです。
みんなが実用化間近の研究ばかりやり出すと、
将来のイノベーションの芽が摘まれてしまいます。
中村修二さんが『日経ビジネス』のインタビューに
登場した際に語った内容の一部も、当ブログで掲載
していますので、こちらもご覧ください。
日経ビジネスのインタビュー(47) バックナンバー(46)
(2014-01-18 23:52:16 )
その全文をご紹介します。
● 2010.10.11
(No.2)<191>
このままではLEDも負ける
中村 修二(なかむら・しゅうじ)氏
[米カリフォルニア大学サンタバーバラ校材料物性工学部教授]
韓国や台湾などのメーカーと日本メーカーを比べると、
まず投資規模が1ケタ、2ケタ違います。
韓国メーカーなどは、世界トップを取ると決めて、
非常に積極的に動いています。
日本以外の国の企業は、最初からグローバル市場を
考えているので、生産規模が半端ではありません。
ところが、日本メーカーはまずは国内市場を固めようと
するので、投資規模が小さくなります。
そのうえ、意思決定が遅いのです。
確かに優れた技術は持っていますが、量産段階では
海外メーカーに負けてしまうと思います。
日本メーカーの経営者は、その多くがサラリーマンです。
リスクが取れず、大規模な投資をタイミングよく意思
決定することができません。
最大の問題は、持っている優れた技術や製品をグローバル
展開できないところです。
携帯電話と同じです。
(中略)
韓国サムスン電子がLED素子に投ずる設備投資は、
2020年までに7000億円と聞いています。
大規模な設備投資だけでなく、世界中から優秀な人材を
集めています。
(中略)
若い時から海外にどんどん出すべきです。
そうしないとせっかくいい技術を持っているのに、
世界に売り込めません。
グローバル化の波に置いていかれてしまいます。
いかがでしたでしょうか?
ただ、ノーベル賞を受賞したからとマスコミ関係者は
大騒ぎしていますが、今まできちんと報道してきた
でしょうか?
物事の価値を正当に評価できないのは、裁判官だけ
ではありません。
メディアにも目利きのある専門家集団がいるはずなので、
これを機にもう一度原点に帰って、報道すべき内容は
科学だけではありませんが、視聴者に伝えるという使命
を果たしてほしい、と思いました。
『日経ビジネス』などの一部の雑誌のほうが、テレビ
より一歩も二歩も前進していると考えるのは、私一人
だけでしょうか?
そのようないろいろな思いが錯綜し、緊急投稿という
形で、ブログを更新しました。
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