今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から
名言を取り上げます。
大前研一さんは、私にとってメンターでもあり、
グールー(思想的指導者)の存在でもあります。
大前さんの著作を読んでいつも感じるのは、
物事の本質を捉えるずば抜けた能力です。
凡人である私は大前さんの足元にも及びませんが、
不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、
と思っています。
サラリーマン再起動マニュアル
2008年10月4日 初版第1刷発行
小学館 ISBN978-4-09-379454-1
目次
[イントロダクション]志のあるサラリーマンは、
きつい仕事を厭わない
第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?
第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動
第3章[実践編]「中年総合力」を身につける
第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件
第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ
[エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある
[イントロダクション]
志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない
永守社長は1973年に28歳の若さで日本電産を設立し、
創業わずか15年目で株式上場を果たしたやり手経営者だ。
「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーク」
「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」の3大精神と
整理・整頓・清潔・清掃・躾(しつけ)・作法の「6S」
に集約される独自の経営哲学を持ち、
今も自らトイレ掃除をしている。
京都の本社ビルの立派なロビーの一角には、
創業当時の小さな町工場がそのまま再現され、
草創期の苦労を今に伝えている。
このタイプの創業経営者は常にスケジュールが埋まって
いないと不安になり、休みらしい休みを取らない
という共通点がある。
だから「ゆっくりしたい人は、ほかの会社に行ったらいい」
という言葉は、実は自分自身に言い聞かせているのでは
ないかと思う。
(今日の名言 01 448)
こうした指摘は、私にとっても耳の痛いことです。
甘さがあると指摘されたら、「そのとおりです」
と答える他はありません。
と同時に、名経営者と云われる人たちは
「率先垂範し、言行一致している」ということが
分かります。
永守重信さんは名経営者として著名な人物です。
その永守さんも京セラの創業者、稲盛和夫さんが
主宰する「盛和塾」の会員の一人でした。
稲盛さんと酒を酌み交わし、白熱した議論を重ね、
今の日本電産の礎を築いたのです。
『日経ビジネス』(2014.08.25)に、永守さんと
日本電産に関する記事が掲載されました。
「永守氏が仰天人事で企む“脱皮”」という記事です。
その一部を引用してご紹介しましょう。
(上掲誌 「永守氏が仰天人事で企む“脱皮”」 P.012)
大きな注目を集めた元シャープ社長、片山幹雄氏
(現・同社フェロー=技術顧問)の日本電産副会長
への転身劇。その狙いは何か。
「永守重信社長が将来、会長に退いた後に備えた
経営陣の強化」「技術力の底上げ」など、様々な
見方がこれまでささやかれてきたが、実はそこには
10年先を見据えた永守社長の深謀遠慮があった。
次の記事は、永守さんへのインタビューの一部です。
今回の人事の真意を率直に語っています。
(上掲誌 「永守氏が仰天人事で企む“脱皮”」 P.013)
元シャープ社長の片山幹雄氏を日本電産の副会長
に招いたことでいろいろな見方が交錯している
ようだが、理由の1つ目は、技術者であること。
そして2つ目は、売上高が兆円規模の企業のトップ
だったこと。そして第3に、大きな挫折を経験して
いることだ。
良い経営者に生るためには、何度もジャッジ(決断)
を繰り返すと同時に挫折の経験をすることが必要だ
と思う。片山氏は、自身が技術のトップとして知り
尽くした分野で積極投資し、中国・韓国などアジア
の新興企業との戦いに敗れ、危機に見舞われるという
大きな挫折を経験された。そういう人間は再起の
チャンスが巡ってくれば、同じ失敗をしないし、
並々ならぬガッツで勝ち抜くものだ。
私が将来、CEO(最高経営責任者)を退いた後は
集団指導体制に移行することになるだろうが、
「集団指導体制=スピード感がない」と単純に結び
つけるのは誤りだ。
将来、創業経営者である私が引退する頃には、
日本電産の規模や取り扱う製品分野は今より格段に
大きく、広くなっている。その時、(経営陣が)
製品とマーケットごとに戦略単位として適切に役割
を分担して見ていれば、経営判断のスピードは維持
できるのではないか。
永守さんは、社内の人材にないものを片山さんに
見い出し、弱い部分を補完し、日本電産の強さを
さらに強化していく方針を明確に打ち出した、
と私は考えています。
尚、永守さんは、『日経ビジネス』の「賢人の警鐘」
というコラムを、出口治明、丹羽宇一郎、ビル・
エモット、古森重隆、鎌田實、坂根正弘、川淵三郎
各氏と一週ごとに交代で執筆しています。
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