外交は内政の延長というか、外交と内政とは
いつでも表と裏の関係にある。だから日米関係
を改善しようとするなら、内に向かってかなりの
指導力を発揮し、そのうえ外に向かわなければ
ならない。そこで問われるのが、宰相のリーダー
シップなんですね。
(P.327)
(130-1-0-000-418)
次の宰相に望まれるのは、日本が諸外国に
対していうべきことをいい、やるべきことを
やれる環境なり土壌なりをつくること。
そのためにはまず、内に向けての指導力が
必要になるわけですね。いまは多少の批判
を受けても、長期的に見て日本のためにいい
ことなら、それこそ思い切ってやっていただき
たい。せっかく300を超える議席を取って
主導権を確保したんだから、短期的なことで
なしに、ロングレンジな視野に立って政治を
行ってもらいたい。
(P.329)
(131-1-0-000-419)
改革といえば、税制もそうです。日本の
直接税は高すぎるから、何としても直間
比率の見直しが必要です。どういう間接税
がいいかの論議は別にしても、間接税と
いうのは、お金を使う人から取る税金です
から、たとえばアングラ・マネーでも使えば
取れるようになる。
いまはアングラ・マネーからは税金は取ら
ないで、真面目なサラリーマンから取って
いるわけでしょう。こんな税制はおかしい
わけで、それを正す方法としては、やはり
間接税の導入しかないんですね。
しかし理念としては正しくても、プレゼンテー
ションが下手だったために、ああいう結果に
なってしまった。残念というしかありません。
(中曽根内閣は、大型間接税は導入しない
との公約を破って、売上税導入を図るが、
国民の不信を買って廃案に追い込まれた)
(P.332)
(132-1-0-000-420)
盛田さんが著した、『21世紀へ』が出版されたのは、
2000年11月21日のことです。あの世に旅立ったのは
1999年10月3日のことです。
ですから、盛田さんがこの本を書かれた時代背景と、
現在では異なりますが、「宰相のリーダーシップ」に
関する考え方は、今でも本質は変わらない、と思います。
盛田さんは書いています。
「長期的に見て日本のためにいいことなら、それこそ
思い切ってやっていただきたい」
その考え方からすると、安倍首相の「憲法改正」という
実質的に憲法第九条の改正が、「長期的に見て日本
のためにいいこと」なのでしょうか?
とても疑問です。
憲法第九条改正の伏線となる「集団的自衛権」の
考え方も、「長期的に見て日本のためにいいこと」
なのでしょうか?
これも、とても疑問です。
どうしても戦争に参加したいのなら、安倍首相にこう
言いたい。
「安倍首相。どうぞお先に最前線へ」とね。
自分の身は安全圏に置いて、国民を最前線へ送り
込もうとする考え方は間違っています。
「隗(かい)より始めよ」という言葉があります。
言い出しっぺから始めなさい、という意味です。
言い出したのが安倍首相なら、率先して行動すべき
でしょう。
参考:
憲法第九条
第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を
解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他
の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、
これを認めない。
日本国憲法から
集団的自衛権
ある国家が武力攻撃を受けた場合に直接に攻撃を
受けていない第三国が協力して共同で防衛を行う
国際法上の権利である。その本質は、直接に攻撃を
受けている他国を援助し、これと共同で武力攻撃に
対処するというところにある。
集団的自衛権 Wikipedia から
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