日経ビジネスのインタビュー(131) 今の文化では先がない | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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今の文化では先がない
2014.07.28

高橋 興三 (たかはし・こうぞう)氏

[シャープ社長]



 「けったい」とは、変やな、理屈に合わんなって

 ことです。そんな文化、やめようやって何度も

 言ってるけどね。

 最近も、ある本部長が僕に「ご指導ください」と。

 「今度言うたら許さんからな」って言い返し

 ましたよ。


 お客様よりも社内を優先する文化もありました。

 口では、「大切なのはお客様」とみんな言います。

 でも、行動を見ると違う。


 ファーストプライオリティーって言うと普通は1つ

 だけでしょ。こう言うと少しキザですが、僕らには

 3つある。

 1つ目が、皆さんにコミットした2016年3月期

 までの中期計画をやり遂げること。

 2つ目が、シャープが今後5年、10年にわたって、

 運営していける新たな事業を創っていくこと。

 最後が、シャープが次の100年、200年、

 1000年続いていくための文化や考え方、

 つまりDNAを根付かせていくことです。

 最後のDNAを根付かせることが、3つの中で

 一番のファーストプライオリティーです。
 
 目の前の事業構造改革だけではダメなんです。


 経営危機になって、ほんまに潰れそうになったから

 僕らは目を覚ますことができた。それで風土改革の

 行動を起こせるようになったんです。


 1000年続く企業にするには、社長在任期間が

 平均5年としても200人の社長が必要になります。

 僕はシャープの7代目社長ですが、200人の7番目

 にすぎません。


 稲盛(和夫)さんにお会いした際に、「経営信条」と

 「経営理念」の書かれたカードを見ていただいたん

 ですよ。しばらく見はってから、「正しいことばっかり

 書いてある。そやけど高橋さん、一番初めに書いて

 ある『いたずらに規模のみを追わず』、これ守って

 なかったよな」って言われた。「はい、守ってません

 でした」。

 つまり、理念は正しくても、行動には結びついて

 いなかった。


 正しいんですから理念は変えません。

 でもそれ以外はすべて変えます。


 1事業で1兆円売り上げるよりも、100事業で

 100億円ずつ売り上げる方が強いと思いますわ。
 




シャープ社長 高橋興三氏

(『日経ビジネス』 2014.07.28号 P.052)




シャープは液晶の生産技術が優れていたため、
経営資源を特化し続け、他事業への投資が
遅れました。


強みをさらに強化することは極めて重要なこと
ですが、将来をにらみ、複数の事業への先行
投資はそれ以上に大切なことです。


「選択と集中」は大切な戦略の1つですが、
シャープは液晶事業に傾斜しすぎました。


シャープは危機に瀕する経験をし、
1つの事業に特化せず、多くの事業に投資し、
リスクを分散する方向へ軸足を移しました。


それが、
「1事業で1兆円売り上げるよりも、100
事業で100億円ずつ売り上げる方が強いと
思いますわ」という高橋さんの言葉に表れて
います。


稲盛さんの「アメーバ経営」からヒントを得た
のかもしれません。


パレートの法則(別名 80:20の法則)
に従うのではなく、アマゾンが実証した
ロングテール戦略への転換と考えることも
できます。


サステナビリティ(持続性)は、種の保存・
維持という生物学上だけでなく、企業を存続
させるためにも、熟考しなければならない
命題です。






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