今週の言葉(33) 経営とは長期戦 社員の幸せの追求が 企業を成長させる | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

私のテーマは6つあります。
(1)ビジネス書の紹介(2)医療問題 (3)自分ブランド力
(4)名言 (5)ランキング (6)ICT(情報通信技術)
このブログでは、主に(1)~(4)を扱っています。
(5)と(6)はそれぞれ別のタイトルで運営しています。

経営とは長期戦
社員の幸せの追求が
企業を成長させる


森田 直行(もりた・なおゆき)氏
[KCCSマネジメントコンサルティング会長]




 稲盛和夫・京セラ名誉会長が日本航空

 (JAL)へ再建に乗り込んだ際、

 私も補佐役としてJALの副社長に

 就きました。


 稲盛さんは「再建を私に任せるという

 なら、これまでやってきた経営理念を

 通じた社員の意識改革と、アメーバ

 経営に基づく部門別採算管理を徹底

 する」という強い意思を持っていました。


 意外にも一般社員の人たちは大歓迎して

 くれたんですよ。「我が社の再建に、

 あの稲盛さんが力を貸してくれるのか」と。

 
 稲盛さんは幹部社員に対して、「残った

 社員を幸せにするのが幹部の仕事だ」

 と熱心に説いていきました。


 JALの社員は皆さん優秀ですから利益

 が大事なことは理解しています。

 部門ごとに日単位で収支が分かる仕組み

 を作ると、どんどん創意工夫をして各路線

 で利益を出せるようになりました。
 

 私は経営というのは長期戦だと思っています。

 長期的な戦いで勝てるチームはどこも

 チームワークがいい。


 企業で言えば、経営者が社員を幸せにしよう

 とするから、社員も一生懸命仕事をし、

 お客様を大事にする。その結果、業績が

 良くなっていけば株主も喜ぶということに

 なるのです。


 社員の幸せの追求で成長を目指す企業経営は、

 世界中のどこでも共感されるのだと思います。
 

            (2014.03.24号から)  
 






JALが経営破綻し、稲盛さんに再建が託された
当時、周囲の人たちからは猛反対されたそうです。


今まで大きな業績を上げた稲盛さんの晩節を汚す
恐れがあるようなことを引き受けることはない、
というのがその理由でした。


しかし、稲盛さんは二つ返事で難しい使命を
引き受け、わずか2年ほどで再建を果たしました。


JALを再上場させたのです。
もちろん、債権者に泣いてもらったという事実は
あるでしょう。


さらに、リストラ(本来の意味は事業の再構築)
された人たちも多くいました。リストラの対象
となり、恨んだ人もいたことでしょう。


それでも、稲盛さん以外の人が難しい再建を快く
引き受け、再建できたかどうかは分かりません。


図体の大きなJALの再建という結果を、短期間
で出したのです。


稲盛さんは、最も難しいことから手を付けます。
それは、意識改革です。


人間は、自分の考え方や、経験してきたことを
否定されることをよしとしません。


ですから、そうした人間の性(さが)を変える
ことは容易ではありません。


稲盛さんがあらゆる経験と長期にわたる会社経営
を通じて編み出した、「成功の方程式」が
あります。


成功の方程式 = 能力 × 熱意 × 考え方


この中で、能力と熱意は0から100まで
あります。


ところが、考え方には-100から+100
まであると、稲盛さんは説いています。


「成功の方程式」は掛け算ですから、考え方が
マイナスになると、3つを掛け合わすとマイナス
になってしまいます。


なまじっか能力や熱意があると、全体は大きな
マイナスになってしまうことが、分かります。


だからこそ、稲盛さんは、正しい考え方を
しなくてはいけない、と繰り返し説くのです。


稲盛さんは自著の中で、繰り返し使う言葉が
あります。


利己ではなく、「利他」です。
己に利するのではなく、他者に利することを優先
しなさい、ということです。


まず、相手に利益を与えなさいという意味でもあり、
おもてなしの心でもあります。


以前のJALはプライドが高く、お客様へ奉仕
する心が欠けていたという指摘がされていました。


サービス業でありながら、上から目線で大切な
お客様を大事に扱うことを忘れていたのです。


頭の良い人ほど、プライドが高いため、考え方を
変えられない傾向があります。


経営者の方針に同意できないのであれば、
去るしかありません。


そのようにして、稲盛さんは、毎日、現場へ足を
運び、本質的な考え方を説いて回ったのです。


稲盛さんは、JALの再建を無報酬で引き受け
ました。


もちろん、稲盛さんはJAL再建を一人で行った
わけではありません。


右腕となった、信頼できる森田直行さんなどの
有能な協力者がいたからです。






記事が面白かったら
ポチッとして下さい。
藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ-人気のブログランキング


こちらのブログもご覧ください!

こんなランキング知りたくないですか?

中高年のためのパソコン入門講座(1)

藤巻隆のアーカイブ


私の書棚(読み終わった本の一覧)




今週の言葉バックナンバー