それが人類の知恵に
耐え忍ぶのは美徳にあらず
飯塚 哲哉(いいづか・てつや)氏
[ザインエレクトロニクス会長
リスクを近くから眺め、折り合いをつけて
いく。
ベンチャー企業の経営者にとっては、毎日
がその連続です。
リスクとリターンは隣り合わせ。決断しなけ
れば、大きなリターンは得られません。
その中でも、経営者として最も難しいのが
M&A(合併・買収)でしょう。
新しい事業を始めようという時には、「時間
を買う」という意味で有力な手段であること
に変わりません。
企業経営では、リスクを恐れて動かないこと
が最大のリスクなんですね。
考えてみれば、人類の知恵というのはリスク
をヘッジすることで進化し、文明を発達させて
きたのです。
本当に大事なのは、日頃からリスクに向き合う
姿勢です。日本でベンチャー企業が育たない
のも、リスクを敬遠しようとする社会全体の
空気と無関係ではありません。
(2014.03.03号から)
ビル・ゲイツは「リスクを負わないのがリスク」と、
言いました。
ローリスク・ハイリターンというものは、めったに
ありません。
ローリスクであれば、ローリターンです。
ミドルリスク・ハイリターンはあるかもしれま
せんが、ほとんどがハイリスク・ハイリターンです。
ローリスク・ローリターンである理由は、リスク
ヘッジ(リスク回避)のために余計にコストが、
かかっているからです。
怖いのは、ハイリスク・ローリターン又は、
ハイリスク・ノーリターンです。
もう何年も前になりますが、FX(外国為替証拠金
取引)で歯止めをかけておいたにも関わらず、
一瞬にして大損した経験があります。
二度と手を出しません。
「短期間で資産が倍になります」「元本保証で
高収益が得られます」といった広告があります。
これらは典型的な詐欺商法ですが、引っかかる人が
後を絶ちません。
元本保証ということはリスクヘッジのために
高コストとなっているので、高収益はありえない
のです。
そうした怪しげな商品を勧められたら、こう聞き
返してください。
「そんなに儲かるなら、あなたはもちろん投資して
実績を上げていますよね? その証拠を見せて下さい」
相手が「・・・」となったら、大嘘をついている
ことがその場で分かります。
リスクを知るために好適な本があります。
リスク〈上〉―神々への反逆 (日経ビジネス人文庫)
ピーター バーンスタイン
リスク〈下〉―神々への反逆 (日経ビジネス人文庫)
ピーター バーンスタイン
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