人が多いように感じる
以前、以下のタイトルで記事を書きました。
覚えていますか?
他人と比べるのではなく、過去の自分と現在の自分、
現在の自分と未来の自分を比べる
この記事の末尾で
「他人と比較するのではなく、過去の自分(通過点)
と比較し、さらに未来のあるべき自分の姿(つまり、目的地)
と比較して、現在の自分(現在地)はどこにあるのか、
常に確認する作業を怠ってはなりません」
と書きました。
さらに、
「この問題はこれで終わりではなく、「目標と目的は違う」
という重要な視点につながる話ですので、次回は
「目標と目的」に重点を置いて、考えてみたいと
思います」
とも書きました。
そこで、今回は「目標と目的」の違いに重点を置いて
お話します。
目的と目標
目標は、数値化できるものです。
ブログの記事で、最近よく目にするのは、
「年収1億円稼ぐ」「月収100万円稼ぐ」など。
気になるのは、年収1億円稼いだり、
月収100万円稼ぐのは、何のためなのか、
はっきりしないことです。
金額が目的化してしまってはいませんか?
お金を稼ぐのは「手段」であって、
「目的」ではないはずです。
お金を稼いで、こういうことがしたい。
逆に、こういうことを実現するためには、
最低限これだけ稼がないとならない。
そういうことだと思うのです。
その昔、マキャベリ(マキャベリズムという
言葉の語源になった人)は、
「目的は手段を正当化する(Ends justify means.)」
と言い放ちました。
目的のためなら手段を選ばない、つまり、
目的を果たすためならどんなことを
してもいいんだ、ということですね。
非常に怖いことです。
「数値目標」という言葉を見聞きしたことが
あると思います。
しかし、「数値目的」とは見たり聞いたり
しませんね。
目的は、何をするのかということです。
起業家(アントレプレナー)の中には、
「社会への還元」を口にする人たちがいます。
「社会への還元」の具体例として、
学校や図書館を作るとか、
「キュレーター」になり、価値ある情報を発信する
とかです。
* キュレーターとは、情報を収集し、分類し、
整理し直し、新たに情報を発信する人のこと。
キュレーションとは、そうした行為。
そうした志は、心の底から、立派だと思います。
ぜひ、実現してほしいと思います。
孫の二乗の兵法
『カンブリア宮殿 村上龍×孫正義』
(村上龍 日本経済新聞出版社)
を読みました。
この本は、テレビ東京系で木曜日午後10時に
放送されている、村上龍さんと小池栄子さんが
司会をしている「カンブリア宮殿」での対談内容を
もとに構成したものです。
かなり詳細に書かれています。
この本の中で、「孫の二乗の兵法」
という考え方が紹介されています。
目標や目的といった分け方とは、異なる
考え方です。
でも、根底ではつながっています。
『孫子の兵法』で有名な孫子の「孫」と
孫さんの「孫」をかけて孫の二乗と
名づけたそうです。
孫子の掲げる中心テーマに、孫さんが
考えたテーマを肉付けしたものです。
「孫の二乗の兵法」
には、5つのフェイズがあります。
「理念」「ビジョン」「戦略」
「将の心得」「戦術」です。
孫さんは、
「300年、生き延びるだけでなく
成長し続ける」(上掲書 P.161)
仕組みを作ろうとしているのです。
そのためには、崇高な理念やビジョンが、
絶対に欠かせないというわけです。
理念とビジョンの違いが分かりにくのですが、
孫さんは、こう語っています。
「ビジョンの前に理念、あるいは思想と
いうものがあるべきだと思います。
どういうことをやりたいか、ということです」
(上掲書 P.173)
「孫の二乗の兵法」
とは、具体的にはどのようなものか、ご紹介しましょう!
道 天 地 将 法 理念
頂 情 略 七 闘 ビジョン
一 流 攻 守 群 戦略
智 信 仁 勇 厳 将の心得
風 林 火 山 海 戦術
(上掲書 P.163)
説明は省略しますが、興味がありましたら、
上掲書の164ページから168ページをご覧ください。
芥川賞作家・村上龍さんが詳しく解説しています。
いかがでしたでしょうか?
抽象的な概念をお話しましたので、少し、
分かりにくかった点があったかもしれません。
もしそうであるなら、私の理解がまだ不十分
であると同時に、説明の仕方がうまくなかった
ことになります。
その場合には、お詫びします。
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