過去の自分と現在の自分、
現在の自分と未来の自分を比べる
自分と他人を比べて、優越感に浸っている人と、
逆に劣等感に苛まれている人がいます。
私は、どちらも一度考え直した方がいい、
と思っています。
なぜか?
まず、優越感に浸っている人は、上には上がいることを
しっかり認識していない点が挙げられます。
一方で、劣等感に苛まれている人は、自分の才能や能力
に目を向けていないからです。
他人から見たら、「彼(彼女)には優れた才能が
あるのに活用していないなんて、もったいない」と思える
人がいます。自分の才能や能力に気づいていないのです。
どちらも、自分の現在の位置(現在地)が、
把握できていないことが原因で、優越感を感じたり、
劣等感を感じてしまうのです。
ポジショニング(位置取り)という言葉がありますが、
私がここで話を進めていく、現在地の確認とは少し
違います。
ポジショニングは周囲の環境によって、自分の立ち位置
を変えていくこと、と理解しています。
私が言う「現在地」とは「目的地」へ進むためには、現在
どのような状況にあるのか、が把握できなければならない
という意味です。
そして、それは他人との関係性で見出すのではなく、
自分との対話を通じて行う確認作業であることです。
カーナビを例に取って考えてみましょう。
カーナビに目的地をインプットすると、最短距離を指し示し、
その指示に従って進めば、目的地に到達できます。
つまり、方角と距離、言い換えればベクトルで示している
とも考えられます。
しかし、現在地が分からなければ、目的地にはいつまで
たっても到着しません。
現在地がどこにあるかで、進むべき方向が変わってきます。
現在地(A)
↓
現在地(D) → 目的地(X) ← 現在地(B)
↑
現在地(C)
上図をご覧ください。
説明を単純化するためにこのように描きました
現在地を時計回りに、(A)から(D)の4つで考えます。
厳密には、無限にあります。
現在地が(A)地点であれば、目的地(X)へ行くには、
南下しなくてはいけません。
同様に、(B)地点であれば、西に進まなけれなりません。
同様に、(C)地点であれば、北上しなければなりません。
そして、(D)地点であれば、東に進まなければなりません。
目的地は1つですが、現在地は極論すれば無限にある
ことになります。
「なんで、そんな当たり前のことをいうんだ!」
と怒りの声や、侮蔑的な声が聞こえてきそうです。
でも、こんな当たり前のことに気づいていない、
いや自覚していない人が多くいるような気がして
ならないのです。
大切なことは、
「過去の自分(通過点)」と「現在の自分(現在地)」
を比較し、どの点が成長したのか、ノウハウやスキルを
身につけたのか、独自の視点を得たり、自分の言葉で
表現できるようになったのかなど、プラスの部分に焦点
を当てることです。
逆に、「過去の自分」よりこの点は劣ってきていると感じたら、
弱点を補強していけばよいのです。
スポーツにも当てはまることがあります。
プロ野球やプロサッカーのことを考えてみましょう。
どちらもチームプレーで戦う競技ですが、個の力も強い
チームはうまく組み合わされると強力なチームとなります。
野球の場合なら長打力が弱かったり、投手力が弱かったら、
セパ両リーグでトレードしたり、メジャーリーグから連れてきたり
しますね。
サッカーの場合でも、得点力の高いストライカーを引き抜いたり、
ゲームメーカー(ゲームを組み立てられる要の選手)を獲得
したりすることがチーム強化に役立ちます。
もちろん、選手だけでなく、監督やコーチの采配や指導法に
よってもチームが強くなることも、弱くなることもよくあります。
チームについてお話しましたが、個人についても同じです。
自分の強みをさらに強化し、弱みを補強すればよいことに
なります。
話を戻します。
自分が好きなことや、楽なことばかりしていると、
確実に能力は低下していくだけでなく、人間の器が小さく
なっていきます。気をつけなくてはいけません。
自分の好きなことに関連したことを広げ、深掘りしていく
のです。つまり、縦と横ですね。
生地でも絨毯でも、縦糸と横糸が組み合わさってできて
います。縦糸だけ、横糸だけでは弱いし、柔軟性も
ありません。
私がグールー(思想的指導者)と仰ぐ、大前研一さんは、
それを「Π(ぱい)型人間」と呼びました。
Π(ぱい)は、円周率の「ぱい」ですが、その形状から
大前さんは「複数の得意分野の深掘り」を表現するために
この「ぱい」を選びました。
複数のことを、深化させ(縦、深さ)、関連することに
広げていく(横、幅)ことが極めて重要である、
ということです。
年齢は関係ありません。
私は、今年(2014年)で59歳になります。あと2か月余りです。
いわゆる「アラカン=アラウンド・還暦」です。
でも、老けこんでいる暇はありません。
毎日、このようにブログを書いたり、本を読んだりして、
頭に活を入れています。考えること、学ぶことをを習慣化
しています。
独善に陥ることと独自の考え方とは、一見すると同じように
見えますが、本来相容れないものです。
脳細胞は毎日死滅していますが、最近の脳科学の知見に
よれば、残った脳細胞同士がネットワークを作り、
失われた機能を補っていくそうです。
人間は脳の数%しか使っていないそうです。
ある意味では、90%以上残っているから、余裕があり、
潜在能力を発揮することが可能なのかもしれません。
脳の中はインターネットのようなものですね。
神経細胞ニューロンが、ウェブ(クモの巣状)を張り巡ら
せていくインターネットのようなイメージを連想させます。
ちなみに、
「神経細胞は、電気信号を発して情報を
やりとりする特殊な細胞だ。
その数は大脳で数百億個、小脳で1000億個、
脳全体では千数百億個にもなる」
(RIKEN BRAIN SCIENCE INSTITUTE『ニューロン』)
そうです。
ニューロンはシナプス結合によってつながっている、という
記述をよく目にします。
今、何かと話題の「理化学研究所(理研)」のサイトから掲載
しました。
ものすごい数のニューロンが脳内に存在し、ネットワークを
形成しているのですね。そう考えると、脳は驚くべき器官で
あることを再認識しました。
脳が小宇宙と言われるのも納得できます。
ニューロンは動物にしかないものです。
高等動物の人間は、進化の過程で、特に脳が発達した動物
であると改めて考えると素晴らしいことです。
そう思いませんか?
「インターネットは、ネットワークのネットワーク」
と言われる所以(ゆえん)が理解できますね!
加齢にともなって、確かに記憶力は低下していきます。
その代わり、経験値があるため、推察力、察知力、
シミュレーション力とでも言ったら良いのでしょうか、
そうした能力が備わっていき、衰えません。
もちろん、普段から頭を使うこと、考えることを習慣化
することが不可欠でしょう。
失敗することを恐れてはいけません。
いっぱい失敗して、その悔しさを糧にして上を目指して
いけばよいのです。
ただし、他人と比較するのではなく、過去の自分(通過点)
と比較し、さらに未来のあるべき自分の姿(つまり、目的地)
と比較して、現在の自分(現在地)はどこにあるのか、
常に確認する作業を怠ってはなりません。
この辺りは、自省を込めてお話しました。
この問題はこれで終わりではなく、「目標と目的は違う」という
重要な視点につながる話ですので、次回は「目標と目的」に
重点を置いて、考えてみたいと思います。
他人と比較するのではなく、過去の自分と現在の自分、
現在の自分と未来の自分を比較して、思考し行動するという
考え方について、あなたはどう思いましたか?
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