バックナンバー(63)
ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。
2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。
● 2012.03.26
(No.4)<263>
自己改革こそ危機克服の術
朝田 照男(あさだ・てるお)氏
[丸紅社長]
新興国が中国を筆頭に、世界経済の成長エンジンであることは間違いありませんが、では米国が倒れたらどうなるのか。そういう意味での米国の強さ。バックストップ(逆転防止装置)が必ず2012年は発揮されるでしょうから、今年の米国景気は強気に見ています。
バランスの取れた投資、収益構造が丸紅の特徴です。あまり1つの分野に集中投資をする気はありませんが、今後、我々が成長していかなければならないことを考えれば、資源とインフラ、生活でしょう。さらに、資源という意味合いもある食料です。
どうやってうまく損切りができるかというのは分かりませんが、我々にそれだけの体力がついたとも言えるでしょう。
よく言われますが、陰りの見えてきた営業部隊はお客さんのところに行かない。そういう意味では、商社なんて最たるものです。お客様がすべてなんですから。
● 2012.03.19
(No.3)<262>
航空戦国時代に打って出る
伊東 信一郎(いとう・しんいちろう)氏
[全日本空輸社長]
(米ボーイングの新型機B787)55機で100億円と見ています。2013年度末までに、半分の27機が入る予定ですので、その時点で50億円くらいの効果があると見込んでいます。
最新鋭のあの飛行機が持つ性能は、中型機なのに長い距離を飛べて、従来の大型機じゃちょっと手に余るような海外の路線を飛べること。それをどう使っていくかが課題ですね。
(加盟する航空連合の)「スターアライアンス」の中では米国のユナイテッド航空(UA),コンチネンタル航空、ドイツのルフトハンザドイツ航空とジョイントベンチャーをしています。すると彼らの予約システムに我々の便が並んで出る。UA便として(全日本空輸のコードナンバーである)NH運航と表示されるんです。全日空がスターアライアンスのキャリアだとようやく認知されてきました。
ジョイントベンチャーなどを生かして、我々は国際線の生産量(総座席数✕輸送距離[㎞])をこの2年間で22%増やす計画です。2013年度の国際線収入は約4000億円の見込み。生産量で22%、収入で25%伸ばします。
従業員に危機感を持たせるには、経営戦略を理解してもらうことが重要です。昨日も羽田空港に私が直接行って、グループ会社の人たちを含めて200人ぐらいに話をしました。
● 2012.03.12
(No.2)<261>
被災地出身に矜持
平野 達男(ひらの・たつお)氏
[復興相]
復興庁は被災地に3つの復興局を置き、支所や事務所も構えました。これらを含めて、総勢250人体制でのスタートです。
復興に向けた最大のカギは、制度ではなく、土地利用の調整がうまく進むかどうかだと考えています。
国は様々な制度や人的資源の投入などで応援していきますが、最後は顔と顔を合わせながら、地域住民や、自治体がこうした問題について、どのように決断するかに未来がかかっています。
最優先すべきことは、元の産業を復旧させることです。
何が起こっても、復興支援が進むようなレールと器と制度を作っておこうと思っています。そうすると、役人はやってくれますから。
● 2012.03.05
(No.1)<260>
市場と価値観を共有する
大八木 成男(おおやぎ・しげお)氏
[帝人社長兼CEO(最高経営責任者)]
炭素繊維は当社を含む日本企業の3社で世界シェアの7割を持っており、日本の産業界にとっても重要な素材です。
当社には、炭素繊維に特殊な樹脂を混ぜて1分で連続成型できる技術があります。これは「なかなか」の技術です。量産車の生産に幅広く活用できるわけで、GMにもその技術を高く評価されたと考えています。
これからは、市場に対峙して技術や製品に付加価値を乗せ、いかに流通させるかがより重要になります。そして、顧客に提供する価値を「積み重ねる」こともポイントです。
帝人グループを大きく伸ばしていくには、明確なターゲットを定め、経営資源を最適な分野に投入する必要があります。個別最適でなく全体最適を目指すには、組織を集約した方が進めやすい。また、分社体制によって生じていたグループ内での技術情報の壁を取り払う狙いもあります。ヒト、モノ、カネを帝人として束ねていきます。
私は経営戦略会議で「皆さん、社会の目は厳しいです。もし3年も赤字のままなら、自分は辞めるから皆さんも降りてください」と話し、役員全体で危機感共有しました。その結果は、それまで全く下がらなかった在庫水準が、瞬く間に改善しました。「何だ、やればできるじゃないか」ということです。この経営の基盤の部分は、今後も揺るぎません。
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