バックナンバー(59)
ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。
2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。
● 2011.11.28
(No.4)<247>
「課題先進国」で技術を磨く
尾崎 元規(おざき・もとき)氏
[花王社長]
現在の海外売上高比率は3割弱ですが、2020年にはこれを60%に引き上げる目標を掲げえいます。ただこれまでは、グローバルに展開するためのトータルの戦略と、それを実現する体制が備わっていませんでした。
一体運営では、まず日本とアジアの仕事を標準化することから始めました。会計伝票の処理の仕方、物の運び方、オーダーの出し方など、各国バラバラだったものをすべて標準化していきます。
デフレとの戦い方に王道はありませんが、消費者は本当に必要なものなら値段が少々高くても買ってくれるし、使い続けてくれます。それを開発するのがメーカーの使命だと思っています。
● 2011.11.21
(No.3)<246>
試される突破力 ソフトバンク、携帯参入5年の転機
孫 正義(そん・まさよし)氏
[ソフトバンク社長]
戦略というのは、外部からなるべく見えない方がいいんです。買収(ボータフォン日本法人)当時、「勝てる見込みのない会社を買った」と散々叩かれましたが、むしろそれでよかった。戦が始まる前までは「あいつはバカだ、アホだ」と思われるのがベストです。そして水面下で、とっておきの武器を準備しておく。それを世に出した時、事前の予想との振れ幅が大きいほど、効果も大きくなる。
日本の電力は今、緊急事態が続いています。エネルギー政策のあり方も、方向性を失っていると言っていい。そんな状態で、一刻も早く原発を再稼働するなんていうのは、僕にとっても醜い行為だと思います。産業界の銭カネのために、子供たちや母親たちを犠牲にしていいのか。
リーダーは大ボラに聞こえるぐらいの高い志を掲げて、情熱を燃やしてやっていかないと発展はないと思うんですね。最初からクジラを目指すべきです。オタマジャクシから始めたらカエルにしかなれません。
● 2011.11.14
(No.2)<245>
「スマホ特需」はまだ続く
村田 恒夫(むらた・つねお)氏
[村田製作所社長]
当社の製品が採用される背景には、軽薄短小化を貫いてきた歴史があります。当社は長年、電子部品市場で「限られた箱の中にどれだけの機能を詰め込むか」という競争を続けてきました。その結果、SAWフィルターや電気を蓄えるMLCC(積層セラミックコンデンサー)など、高性能でしかも小さく薄い部品を作ることにかけては、どこにも負けない力をつけました。
主流がスマホになろうが何になろうが、フィルターやコンデンサーなどの中核部品に求められる基本機能はそれほど変わりません。そうなると必然的に、高性能でかつ小さく薄い部品のニーズが高まります。
技術面である程度追いつかれるのは、やむを得ないと考えた方がいい。重要なのは、こちらが技術革新を継続していくことです。つまり、研究開発投資を続けて、技術の開発スピードを高めていくのが唯一の有効策と考えています。
国内工場は付加価値の高い部品を生産し、海外の工場はローエンドの汎用品を担うという役割分担の体制です。現在の海外生産比率は15%程度ですが、2012年度末までに30%まで引き上げる計画です。
● 2011.11.07
(No.1)<244>
テレビ縮小、苦渋の判断
大坪 文雄(おおつぼ・ふみお)氏
[パナソニック社長]
画質は日本勢の方が高かったと思います。また3D(3次元)テレビやインターネット対応テレビなど先進的な製品は日本メーカーにアドバンテージがあるでしょう。
しかし、韓国メーカーの薄型テレビを分解すると、商品によっては部品点数の削減率が日本製よりも進んでいます。部品の削減は技術者の地道な努力のたまものであり、コスト削減を進めるのに最も有効な方法です。
設備投資が重過ぎました。これからは「アセットライト(資産の軽量化)」戦略に転換します。生産量の拡大による収益の追求はもうやめます。
2009年度に33%だったアジアからの調達比率を、2012年度に50%に引き上げる計画です(編集部注:日本国内の調達比率は57%から40%に引き下げる)。
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