バックナンバー(27)
ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。
2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。
● 2009.3.30
(No.5)<114>
米復活へ役割果たせ
三國 陽夫(みくに・あきお)氏[三國事務所代表取締役]
日本が黒字を作って米国に資本輸出すれば、日本の国内消費は落ちる。
米国は買い物をしてもお金が戻ってくるから過剰消費になった。
今の危機は日本が種をまいた面があります。
黒字を作るナンセンスさに気がつかなかった。
今後は、日本が自分のお金をきちっと管理し、配分することが重要です。
これは世界経済にとっても大事です。
● 2009.3.23
(No.4)<113>
値下げは顧客のために
浅利 慶太(あさり・けいた)氏[劇団四季代表、四季会長]
劇団四季の舞台に多くのお客様が来てくださる第1の理由は、台詞が明晰に聞こえるからです。
演劇の感動の80%は、戯曲です。
演出や俳優、音楽、美術など様々な要素は残り20%の中にあります。
台本が良くなければ、俳優がいくら頑張っても良い舞台にはなりません。
ですから演劇で最も大切なのは、台本の言葉を正確に客席に届けることです。
そのための方法論も徹底的に研究しました。
ある時、親友の音楽家、小澤征爾君に優れたピアノ演奏の特徴を尋ねたら、「それは音の分離だ」と言われました。
音量の大小ではなく、1音1音がしっかり分離していないと美しい演奏にはならない、と言うのです。
これに啓示を受けました。
舞台でも全く同じで、1音1音の分離が正確ならば言葉が確実に客席に届きます。
そして日本語の音は母音だけです。
子音は口の形に過ぎません。
そこで音を司る母音の分離を明晰にするための方法を考え、「母音法」を作り上げたのです。
劇団四季の俳優たちは、この方法論で徹底的に鍛えられています。
日本人、日本社会は「話す」ということを軽視しすぎです。
昔から「読み、書き、そろばん」は大切にされてきました。
しかし本来、「読み、書き」の後は「話す」であるべきです。
話すこと、つまり、コミュニケーションは、民主主義の基本です。
話すことをきちんと教えない民主主義には、危険が潜んでいると思います。
● 2009.3.16
(No.3)<112>
独自技術を“掘り抜く”
畑中 浩一(はたなか・こういち)氏[パナソニック電工社長]
最近では、精密な金型の自動製造装置を開発しました。
これは他社にはなかなか真似できない技術でしょう。
我が社が目指す「ブラックボックス技術」の1つです。
こうした技術を開発し続けることができるのは、根本にやはり「掘り抜き井戸」の精神があるからです。
あきらめないで、水が出るまで井戸を掘り抜く。
滑っても転んでも、前に向かって進んでいく。
何事も成功するまでやるから成功する。
だから、うちの会社にはモノ作りで独自性の高いオンリーワン技術が数多くあります。
シェーバーも最新機種は4枚刃です。
4枚も並べるには刃を薄く、硬くする必要がある。
非常に微細な加工に加え、特殊な焼き入れ技術を使っています。
気が遠くなるような試行錯誤を繰り返して技術を完成させました。
● 2009.3.9
(No.2)<111>
もっともっと「やってみなはれ」
佐治 信忠(さじ・のぶただ)氏[サントリー会長兼社長]
明るく、前向きなエネルギーを注入できるかが勝負。
「会社が潰れる」なんて言うのではなく、新しいサントリーグループを作るんだという気持ちを前面に出す。
それには働き方も変えよう、もっとやってみなはれ、悪しき官僚主義をぶっ潰せと、前向きにエネルギーを注入するわけです。
それができれば社員は働きますよ。
少々つらくても前向きだから。
ベクトルが合えば、いろいろな商品が生まれてくる。
そうなれば「やってみなはれ」でヒットも出る。
逆目になると不満分子が出て逆方向に回すから、気合ですわ。
エネルギーと情熱。
● 2009.3.2
(No.1)<110>
おもてなしを輸出する
荻田 敏宏(おぎた・としひろ)氏[ホテルオークラ社長]
オークラは「ベストA.C.S.」を経営理念、企業哲学としています。
Aは「Accommodation」、Cは「Cuisine」、Sは「Service」のこと。
設備、料理、サービスの3点で最高のものを提供し、地域で一番と評価されるホテルを目指します。
この点で、日本人は間違いなくホスピタリティー精神に厚い国民です。
「おもてなし」という日本語がそのまま世界に通じるほどですから、現時点では他社と比べて差異化できる。
おもてなしを輸出していくこと、これが長期的なオークラの仕事になります。
宴会の運営経験も豊富で、日本同様に宴会需要が多いアジアは有利です。
一方で海外のホテルに比べ劣っている面もあります。
それを吸収してさらにいいものを作る。
これをPDCI(Plan,Do,Check,Improve)と呼んでおり、普通はPDCAで最後はAct(行動)ですが、オークラでは「I」の「改善」の方が重要ですので、ここが課題です。
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