<雪渡り>
何度か既述、しかしこれは体験しないとその面白さはわからないかもしれないですね。
降り積もった雪の形のままで、その表面に人が立てるなど、今見たらドラゴンボールを見ているような、異様な感じがするんだろうなぁ。
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原理:前日太陽光で雪の表面が溶けて、それが朝方の強力な冷え込みで凍り、暑さ3センチほどの、あたかも発泡スチロールの板のようになって、人が乗っても沈まないようになる。
二日間の気象の条件が重ならないと発生しない自然現象である。冬の終わりに、一冬で5回ほどしか現れなかったように記憶している。
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それは、晴れた厳寒の朝に発生した。
子供たちにとっては、青空の下、眩しい、あたり一面が走り回れる広大な遊び場に、一変するわけだから、「そり」や「スケート(木を削って作ったもの:後述)」で走り回り、短い時間を目一杯楽しむことになる。
雪渡りで登校した子供たちの足跡が、高台の校庭から見ることができた。陽が当たってくるとまもなく元のべた雪に戻ってしまうのですが、足跡だけはいつまでも残るのでした。
<表層雪崩>
私が経験したのはミニミニ表層雪崩である。ある朝、雪渡りのできる日に、お兄ちゃんたち(小学5・6年)に誘われて、学校の裏山に登ってスケートしようということになったんです。スケートと言ったように記憶しているが定かではないです。
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直径10センチほどの木を長さ20センチほどの長さに切って、それを半分に縦割りにする。かまぼこ型の山を少し残して長靴を乗せる部分の余分な山形部分切り落とす。底面の前側を引っかからないように丸める。
長靴を縛り付けるのに、紐をどうしたのかは覚えていない。古いスキーのビンディングを利用したり、穴を開けて紐を通したりしたんだろう。
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その日、それを履いて、かなり急な斜面を登っては滑り降りるということを繰り返しました。ガリガリした雪の上を「かかと」でエッジを立てて滑るから、ザーザーと大きな音が響き渡ります。
今朝方は珍しく、ところどころにうっすらと雪が積もっていて、そこを通る時はピタッと音が消え、またザーザーと響き渡る。その違いがまた楽しかったです。
少し場所を変えて滑り降りる時に、なぜか雪煙を感じました。
誰かが声を上げたので止まったら、ガリガリした雪の表面を軽い雪が、体育で使うマットが連なるように流れていたのが見えたのです。あたりはもうもうと雪煙に包まれました。
その時、ほとんど流れる音はしなかったと思っていましたが、何年も後にスキー場で、新雪にスキーを投げ込む時の音で、このミニミニ表層雪崩を思い出すのでした。
厳寒の中では、軽いパウダースノーは高いところから低いところに「流れる」ことをご存知だろうか!