「空力実験室」。私のブログのサブタイトル。
残念ながら、航空工学を学ぶチャンスがなかったが、幼い頃から飛行機には憧れを持っていました。
山間の高台にあった小学校の校庭から初めて飛行機を見たのは1953年、7歳の時。
突然狭隘な山間に響き渡った爆音とともにかなり低い空中を黒いものが近づいてきたと思うと、あっという間にすぐ目の前を本でしか見たことがなかった戦闘機が飛び去って行ったのです。
一瞬、操縦しながらこちらを見下ろしていたのは女性ではなかったかと感じたのは、気のせいだったのでしょうか。
それからしばらくは、村のどこで遊んでいても、飛行機が飛んできた辺りに視線を泳がせるのが日課になったものです。
村で飛行機を見たのはそれっきりでしたが、飛行機への漠たる恋心は大人になっても続いていたのでした。
飛行機を見た何年か後、校庭から10m程下の田んぼに向けて両手を広げてエイっと飛び出すと、田んぼギリギリでふわっと体が浮き、両手を羽ばたかせると体が上昇する夢を見ました。
全く同じ夢をその後10回程見ています。最後に見たのは60歳過ぎてからでした。
私は自動車の実験屋上がりの飛行機に関しては全くの素人ですが、空気力学に関する事象を肌で感じたのは、エアロパーツを取り付けたスポーツカー、トヨタMR2が地面にヒタと吸い付いて走る感覚を体で味わった時でした。
「走り屋」と言われる若者たちが車高を下げて、フロントのエアロパーツを地面ギリギリに取り付けている様を見て、眉をしかめる方がいらっしゃるかも知れませんが、あの地面にヒタと吸い付いて走る感覚は確かに癖になります。
110km/h付近から、今までのボデーの振動や揺れがなくなってざわざわ感がスッとなくなり、車高が下がって地面にヒタと吸い付いて走るのです。
自動車のフロント下部に取り付けるエアロパーツの目的の一つは、車両下に如何に空気を入れないようにするかです。
ところがここにベルヌーイの定理をかざして、車体下に積極的に空気を流して流速を上げ、気圧を下げてダウンフォースを得ている、などという流体力学の専門家の説明を見るにつけ、同じ事象でもその見方、解釈の仕方で様々な説が生まれることを強く感じたものです。
と同時に、科学者なら、なぜ実験や体感もせずに間違ったことを言い切るのか?とがっかりさせられるのです。
積極的に空気を車体の下に入れるなど、地面と車体の間で空気は圧縮されてもみくちゃになり、極端に言えば柔らかいパウダースノーの塊に乗り上げるようなものではなかろうかと思います。
不安定さは増しても、ダウンフォースなど決して生まれません。
ホバークラフトを見れば自分の言っていることの間違いがすぐわかりそうなものなのですが、、、。