0055 再訪
国登録有形文化財
靉靆橋 (あいたいはし)
宮崎県えびの市大字杉水流字前田
谷川に架かる享保水路の水路橋
橋長:13.0m
橋幅:12.0m
径間:3.95m
拱矢:1.90m
環厚:50.00cm
架設:1729年(享保14年)
石工:不明
型式:単眼アーチ橋 二重アーチ 壁石:布積み 川床に敷石加工
指定:2014年(平成16年)3月4日 国登録有形文化財
2013年11月以来、幾度となく寄っていますが、周辺が藪っていて中々お姿を見る事が出来無いのですが・・・。直近では2017年以来になりましたが、想像どおり草木に覆われていました。準備して川床へ下りました。
宮崎県でも1番古いと言われている294年前に架けられた石造アーチの水路橋です。近くの小林市に残る東方大丸太鼓橋(水路橋)は、118年後の1847年(弘化4年)架橋です。
宮崎県内の古い石橋と言えば、県北の五ヶ瀬町にあった深角眼鏡橋(旧尾谷橋)が1840年(天保11年)でしたが、現在のアーチ石橋は1885年(明治18年)に架け替えられたものです。また高千穂町の納田川上流に有る橋の一部に古い石造アーチが残っています。ここはアーチ内を覗き込まないと確認出来ません。数年前に近くで親柱1基が見つかり、刻印から1838年(天保9年)が読み取れました。親柱は現在、高千穂町コミュニティーセンター(歴史民俗資料館)に展示保存されています。
いずれにしてもこの靉靆橋の架橋から100年以上も後の事です。まだまだ研究の余地は有り、不明な事も多く古文書等からの解明に期待したいと思いますが・・・。
訪問日:2023年5月20日(土曜日)
靉靆橋
谷川を跨ぐ享保井路の水路橋です。
=====案内看板=====
国登録有形文化財
靉靆橋
(あいたいはし)
登録日 2014年(平成16年)3月4日
この橋は、「日向地誌」によると、佐山坂靉靆橋「人吉街道ニ属ス石ヲ畳テ小溝上ニ架ス 享保十四年己酉 新田溝ヲ開キシ時 鹿児島藩費ニテ築成セシ所ナリ 長七間幅四間 新田溝其上ニ通ス」とあり、享保水道開通(享保17年)以前にこの橋が完成していたことがわかる。重要な街道上に位置し、しかも、多量の藩の蔵米を得られる広い飯野地区の開田のための用水路を通すとあっては、藩費を使ってでも立派な石橋を建造したことも頷ける。二重積みアーチ型で、橋下の川底にも切り石が敷き詰められて、川底の下がるのを防いでいる。
この橋は、下幅が12.0mで大体直立型の橋であるが、上部は一部崩壊しているので正確な数値は不明である。現状では橋の東側寄りに幅2.0mの水路が通り、西側に幅6.2mの市道が、東側に幅2.2mの土手がついている。
えびの市教育委員会
谷川の下流側
靉靆橋
右岸
左岸
靉靆橋 拱頂部
川底の敷石
クラックは無いようですが、経年のズレが生じてきています。前回2017年に来た時と変化はないようです。
靉靆橋
上流側の左岸上部は崩落してコンクリートで修復されています。右岸上部にオリジナルの壁石が残っています。
谷川の上流側
この先には人工堰が設けてあります。
以前訪れた時の「靉靆橋」を紹介しておきます。
2013年11月1日撮影
↓
靉靆橋
これからもこの姿を見ることを期待してえびの市方面を通過する時は寄りたいと思っています。
Map
靉靆橋