段ボールを捨てる
ずっと冷蔵庫の横に立てかけておいた。
いつかやろうと思って。
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ゴミ出しの日に合わせて、
すぐ出せるようにと立てかけて
早一ヶ月。
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いつの間にか一体化していて、
それがある景色が普通になっていた。
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しなくても影響ないけど、
したらスッキリするよなーと思いながら、
目にしていた。
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朝起きた時、
わたしは出かけるまでにやることをメモに書く。
そうしないと、
延々と思いつきに振り回されて、
遅刻するし、忘れ物するから。
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だいたいやることは同じことなんだけれど、
この日は、それに
「段ボール」と追記した。
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出かける準備までできたから、
取り掛かることができた。
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ハサミとカッターを使って、
手でバリバリと小さくしていく。
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工作みたいで楽しい。
作るのも好きだけれど、
片付けたり、壊すのも好き。
夢中になれる。
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全部終わって、紐で縛って、
ふと時間を見たら、15分経っていた。
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"たった15分の時間が取れなくて、
一ヶ月も置いておいたんだ。
そんなに、生き急いでいたんやな。
いやいや、大丈夫よ。
時間の余裕はあるで。
必要なことに向き合う時間の余裕は、
意識すればちゃんとある。"
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そんなふうに思いながら、
ゴミ捨て場に出す。
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部屋に戻ったら、
冷蔵庫の横は、前に見ていたスッキリした
白い壁が見えていました。