みんな秘密を持っている

「この話はここだけにしとってね」


そういう秘密を、打ち明けられることが多い。
そして、その秘密に対して、
口を滑らせたことは、多分一度もない。


それは、"忘れた設定"になれるから。

プライベートブラウザのように、
自分の中になかったことにできるから、

共通の人から、
きわどい話題になっても、
口を滑らせることは、ない。


その特技ができるのは、
自分が大きな秘密を抱えながら、
生きてきたからだと思う。


そのひとつが、セクシャリティについて。


わたしは男性だが、
男性を恋愛対象としても見ている。


これは、発覚してしまったら、
社会的に死ぬかもしれないくらいに、
大きな秘密だった。


今まで、「恋人」と伝えていた人は男性だ。


別れてからの最近では、自分でも
何が好きで、何が恋愛で、
性対象も、
よくわからなくなってきたけれど。


人と話す時、
頭の中で自動的に変換する。

秘密の部分を、一般的な常識に。


だからこそ、
秘密を作る儚さ、
秘密を守る強さや、

秘密を保持する楽しさを、
秘密を共有する深さを、
知っている。


そこを感じてもらえるからなのかな、と
分析している。