「ただいまぁ」
ドアの内鍵を閉めながら、
部屋に呼びかける。
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12時間前にタイマーしたエアコンが、
部屋を涼しくしてくれている。
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家に帰ると、エアコンとは反対に、
スイッチが切れる。
多分、わたしはオンオフがハッキリしているタイプ。
切れると、もう何もしたくなくなる。
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台所に行って、ざくろ酢を出す。
この間、地方のスーパーで買った、
ざくろやりんごが入っているフルーツビネガ。
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そこに、豆乳を注ぐ。
そうすると、桃色のヨーグルトみたいになる。
特製ラッシーの完成。
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飲むと、ざくろの甘酸っぱい香りと味が広がる。
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「ああああ、美味しいいい」
一人、部屋に向かって話す。
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"ちょっとひとやすみしようかな…"
カーペットの上に寝転がる。
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そんな夏の夜。