チューリップが枯れ始めた





少しずつ、色褪せてくる。
首がだんだん下がってきて、
濃い色でふちどる。



そんな様子を傍目で見ながら、
毛布にくるまる。



植物が少しずつ老いていく姿は、
美しいと感じることがある。


色が変化して、水分が抜けていって、
ひとつの役目を終えて、土に還る準備をしているように感じる。




そんな自分も、これまで、いろんな役目を
背負っては終えて、時に背負えず、脱いできた。



そんな中で、気づいたことがある。




役割を遂行する時に、
かなり自分に無理を強いていたなと。



"自分ならできる"

鼓舞することによって頑張れていたけれど、



言い換えると、「とりあえず栄養とっとけよ」と無理に口に食べ物を運ぶような感覚。




その時の身体の状態や、
精神の状態を無視して、

「とりあえずこれに向かっていればいい」
と、半ば乱暴にしていたことが、よくあった。




それは、鍛えているように見えて、
実際、"自分のエネルギーは無尽蔵だ"と、


根拠なく信じていたから、

ほころびが出た時に、がらがらと崩れる。




これからは、甘えと優しさを持とうと思っている。




甘えとは、自分の弱いところ・できないところを見せること。



優しさとは、今の自分の状態をちゃんと見て、
10%
の完成度でも進んでいいよと、許可すること。



役目を終えはじめたチューリップを見ながら、


毛布にくるまって、そんなことを思った。