ありふれた恋の話。 | それは雪降る白い箱

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漫画のこと、制作のこと、そのほかのことを時々書いたりしています。


連続投稿失礼します。
高瀬です。

コミティアで頒布しました
「ありふれた恋の話」を
ピクシブにweb再録しました。

読んでいただければ幸いです。

【web再録】ありふれた恋の話 | 高瀬唯 [pixiv] http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=52298145

…というかこの作品……
話を作ったのは高校時代…
最初に原稿に取りかかったのも高校時代…

それからキャラデザ変えたりコマ割り変えたりして
書き直すこと数回……

そして完成したのは数ヶ月前という……
正直自分でも見るのが恐ろしい作品なのですが…。苦笑

あいだに他の作品も作ったりはしてましたが
それにしてもどんだけ時間捧げているんだろうという…。
なのにクオリティ底辺という…。
そして描き上げたものを賞に出す気もないという……。



さてそんな「ありふれた恋の話」なのですが、
担当さんに持ち込みには行ってきました。

以下、いただいたご指摘と私の反省なので
出来ればweb再録を読んでみていただけると幸いです。



担当さんのご指摘としては、ストーリー面では

・多くの人が作品を認めてくれた反面、
クラスメイトの小さな一言で傷ついてしまう
という感情がわかりづらい

・「上手く書かなきゃ」とこだわってしまう理由が弱い

・主人公が何にもがいているのか、
なんでもがいているのかがわかりづらく、
また、悩みの核に主人公よりも先に読者が気付いてしまう

・物語のラストが、「もう一度ありふれた話を書く」という
決意だけで終わってしまうのが、読者の予想通りだし
物足りない。
「再ブレイクした!」とか、もう一歩先に進んだ未来を見せたい。

・主人公の書いた小説の内容がわからないから
藤乃の絵がどういうものかわからないので、
その絵が彼に与える影響もわからない。
読者に雰囲気で「わかってもらってる」だけで説得力が無い。

・お互いの作品が好きなことはわかるが
お互い自身に惹かれているという描写が弱い。

・「作品を読んで始まった気持ちさけど、彼自身を段々好きになる」
「彼女に惹かれていた気持ちの後押しを作品がする」という描写が欲しい。

・「藤乃は彼のこういうところが好きなんだろうな」と
読者がよりわかるようなエピソードが欲しい

・主人公が藤乃をどう思っていたのか、
「こんな風に可愛く思った、好きだと思った等」が描いてあると
彼の作品が今後どうよくなるのかの予想を読者に見せることが出来る


また、絵に関しては

・扉絵のクオリティを全画面に欲しい

・細かいディティールを気にして
描き込みが多いほうが画面の精度が上がり、画面として成立する

・男の顔に表情を付けると女ぽくなるので
男女の差をもっっと付けること

・女の子はもっと!可愛くしていい

とのことでした。
どのご指摘ももっともでございます…


物語については、この作品に限らずなんですが、
扱ってるテーマが大きすぎる、とも言われました。

恋愛が主の恋愛ものって実はちゃんと描いたことがなくて、
今回もタイトルに「恋の話」と入っているのは
「恋愛という間口さえあれば読者は読んでくれる!」と
以前担当さんがおっしゃっていたので付けた感じでして…

正直恋愛メインで描いてはなかったんですが、
次回は恋愛を主にした恋愛を描こうと思います。

御崎くんが150万部も飛ばす作品なのに
クラスメイトの一言で傷ついてしまうことについては、
当時中学生なので、中学生特有の世界の狭さ、
狙って書いたヒット作ではないが故のひっかかり、
などが描けていたらよかったのかもなと思いました。

ラストシーンも、原稿用紙ではなく、
「あの[青の教室]の御崎ユウト完全復活!
淡い恋愛憚、異例の初版80万部!!」とか煽りつけた
「ありふれた恋の話」のハードカバーを
見せる感じのがよかったかなーとも思ったり…。

絵に関しては、今まで褒められたことがまず無いので
「表紙のクオリティを全画面に」と言ってもらえて
逆に良かったです。

「初めて持ち込みしてもらった時と比べると、
ほんと上手くなりましたよ!
人間描けるようになってますもんね!!」
と笑顔で言われて本当に申し訳なさしかなかったです。

いままで人間未満のものしか描けずすみません……。

そんな状態から拾ってくださってる担当さんの優しさに
感謝しかないです……。ほんとすみませんがんばります……。

コミティアでも、表紙見て手に取ってくれたけど
中身見て去ってしまわれる方もたくさんいらっしゃたので、
表紙のクオリティで描けていれば一定基準クリアなのかな、とも思ったり。
もちろんそれ以上に上手く描けるように頑張らねばなのですが。



「月例賞に出しますか?」と聞かれたのですが、
この話は自分のために描いた感じが強かったので、
賞には出しませんでした。

いままで2年くらい、
自分で描いてひとりでに没にしたり、
持ち込みには行ったけど賞には出さなかったり
というのを繰り返していたんですが、
次からは賞を狙った作品を本気で描いていきます。

担当さんに1から見ていただいている分
より一層気合いはいります。がんばろ!



実はこの間
ちょっと感動することがありまして。

たかせには2つ年下の高3の妹がいるのですが。

妹が、妹の中学時代の友達に会った際、
その友達の高校で新しく出来た友達が
「高瀬唯って漫画描さんが好き」と言っていたらしく。
それを聞いた妹の友達が
(それって妹ちゃんのお姉ちゃんじゃなかったっけ?)と
妹に聞いてくれたみたいで。

たかせはプロとかでもないし
聞き間違いじゃないかな?とも思ったのですが、
その妹の友達が通っている高校が
私の母校らしくて……
それなら、もしかしてほんとにたかせのことかな?と。

なんだか、その一連の出来事に
とっても感動しまして。

たかせを知っていて、好きだと言ってくれる人がいることも、
妹の友達がその名前を聞いて、たかせを思い浮かべてくれたことも
なんだかすごく、凄いことだなって。

もしかしたら、そのたかせを好きだと言ってくれた(かもしれない)子は
私と顔見知りの後輩かもしれないし、
私の在学中の作品を見てくれたのかもしれないし、
ツイッターとかで知ってくれたのかもわからないけど、
……私がいない場所で、私の名前を上げてくれるのって凄いことだなって。

なんだかそう思ったら、自分の中でスイッチが入ったというか。

いままで、自分の作品を好きだと言ってくれる人はいても
それって絶対直接私に言われていたことだったので、
それ以外にも見てくれてる人がいるんだなって思ったら、もっと頑張りたいなって。

私、自分で言うのもあれなんですが、
自分のために自分のことを頑張るのはすごく苦手で下手なんですけど、
誰か他の人のために一生懸命になるのは好きだし得意でして…。

次は、まだ見ぬ読者の為に
作品を描きたいなと思いました。



こんな私をまだ捨てないでいれくれる担当さんや、
だめになりそうな時応援してくれる友人や、
どこかでたかせを好きだと言ってくれる誰かのために、
これからより一層、本気で賞を穫りに頑張りたいと思います。

非常に長い記事でしたが読んでくれてありがとうございました!!



高瀬唯