「だったらなんだっていうんだよ?」
中肉中背の男が俺に顔を近づけてきた。
「いや なんにもなんないけど(笑) ヤクザなの?って聞いてるだけ」
俺は言った。
人通りが激しく人がチラチラ見ている。
「いやあ ヤクザじゃないよ! 俺たちはカタギだよな?」
中肉中背の男は威圧感を潜め もう一人の背の高い方に言った。
「そうそう。 ヤクザじゃないよな。 で ヤクザだって言ったらどうしてたの?」
背の高い目つきの鋭い方が俺に言った。
「んー いや当然 110番(笑)」
すると フラフラしていた若者が
「いやあ お二人カタギらないれしょう アハハハ!」
どうやら カタギじゃないらしい。
中肉中背の男が
「お兄さんも素人じゃないでしょ? 耳見ればわかるよ」
格闘技をやってる事がどうやらバレたらしい。
「お兄さん K-1やってんの?」
「いや なんにもやってないよ。」
「またまたあ 嘘ついちゃダメだよ そのガタイで」
中肉中背の男はなかなかひかない。
しつけえな…
と思ったその時
目つきの鋭い方が俺に言った。
「お兄さんよ。 お兄さんがどんなに強くても 俺達は “これ”で終わりだから。」
と
手で銃を打つ仕草をした。
俺は 一気に腹が煮えたった。
「は? じゃあ それで どっかのリングでチャンピオン殺して 俺がチャンピオンだあっ! って言えば? 誰も認めねーから(笑)」
俺がそう返すと 返す言葉がなくなったとっぽい方が俺の胸ぐらを掴んだ。
「おい 口に気をつけろ、てめえ」
人が足を止めて俺達を見ている。
俺は上を見た。
防犯カメラの有無を。
続く。