薄れゆく意識……



パチパチ……


何かが燃える音…





拓郎は部屋に火をつけ出て行った。





「………………」




















「??」

一瞬、時間が止まったような感覚に陥った。








ピカアアアッ!!!







眩しい光が目を覆う。







「?? 浮いている!?」



体が宙に浮いている??






「あれは俺??」







燃え始めた事務所で倒れている俺…。






「…死んだのか…」






その時…







「死んだ…というより…
肉体から心が離れたのだ。 」







「?? あんたは!!
夢??」






「夢ではない…
言ったはずだ。
絶望が待っていると…」







「!! お前なにもんだ!?
俺をどうする気だ!?」






「… まず燃え盛る炎を止めよう…」






そう言うと、“人ならざる者”は下に手をかざし “いつもの”光を放った。








ピカアアアッ!







「!! 火が止まった!?」






まるで炎が“作り物”のように動きを止めた。






「今に人が来るだろう…」






「!? なんなんだよ!! 俺どうなんだよ!?」







「お前は既に“混沌の渦”の中心にいる…
始まりを選ぶか…

終わりを選ぶか…

始まりは復讐を意味する…」






「ハッキリ言わねーとわかんねえよ!! どうしたら始まるんだよ!!」

俺は…いや、俺の魂は宙に浮きながら叫び声をあげている。






「始まりを選べば お前は“混沌の渦”の中心から 更に奥深くの中心に行き着く…
お前は闇と闘う事になる。

悲しみを背負い、今から始まる現実に目を向け 魂を削る旅人となる… 」







「だからっ!! どうすりゃいんだよ!!」






「復讐したいのだろう?…

ならば“選べ”!!

お前には特別な力を与えられる。


だが行く先は険しいぞ…」







「復讐できんのかよ!!??
アイツにっ!!!」






「選ぶか…

自分の戦いに…」







「よくわかんねえけど アイツ等全員皆殺しにしてやる!!
俺を生き返らせてくれ!!」







「選ぶのだな…

ならば目を閉じるが良い…




悲しみも…憎しみも…全て力にするのだ……


お前のこれからの道は、闇の道…


力を手にし、悲しみを乗り越えろ。



覚悟ができたら

目を開けるが良い…」






閉じた目を開けるのをためらった。






何が始まるんだ??



険しい闇の道??








しかし…




俺は





俺の名は……








“復讐”。







俺は閉じた目を開けた。








ピカアアアッ!!








光の渦に巻き込まれ


力が漲った。







“新生”し、復讐劇が始まる。







闇を光が凌駕する時来たる。













続く。