思い切ってインターホンを鳴らす。




家には明かりがついている。
誰かはいるはずだ。




「ガチャン」




ドアが開くとユミの母親らしき人が出てきた。





「はい、どちら様?」






俺は
「あ すみません 同じクラスの高瀬ですけど… ユミさんいらっしゃいますか?」
と返した。







するとユミの母親が
「同じクラスの?………

ちょっと待ってね…
もしかしたら出てこなかったらごめんなさい。」

と言って家の中に戻った。





ユミは出てきてくれるだろうか…



いきなり来て出てきてくれるはずないか…





ネガティブな考えしか頭に思い浮かばない。





するとユミの母親が一人で出てきて

「ごめんなさい。 ちょっと誰とも会いたくないみたい…
せっかく来てもらったのにごめんなさい。」








やはりダメか…






俺はユミの母親に挨拶し、家を後にした。





そして 50メートルくらい歩いた時、後ろから足音が聞こえてきた。







「高瀬!!」








振り返ってみるとユミが走って来た。







息を切らしながら

「ごめん せっかく来てくれたのに… ハァハァ」






俺は久しぶりに見たユミの顔を見て少し驚いた。





明らかにやつれていたからだ。







「ユミ、だいじょうぶか? ……
あれからこっちも色々あってさ…」







「…色々?」
とユミが言う。







「俺達、斎藤達を殺す事にした。」







「殺す?… 本気で言ってるの?…」

ユミが驚いた表情で言った。







俺は今までのいきさつを全て話した。

















「…… 気持ちはうれしいけど… 大変な事になるよ?」

ユミが心配そうに言う。








「ああ… でも もうやるって決めたから… それに…」



俺はユミへの想いを 打ち明けようとした。






「 それに?」









「…いや…



なんでもないよ。


なんでもない。」








さすがにそれは言えず、ユミに協力をお願いした。







「斎藤をさ…おびき寄せてほしいんだ。人気のない場所に…」







ユミは少し沈黙し

「やってもいいけど…
私にできるかな?」
少し困惑気味だ。






「今すぐ返事くれなくていいよ。 家に電話してくれればいいし。 でもこの事は絶対に内密にね…」






「うん わかった。」







俺はユミと別れ家に戻った。






ムシムシした自分の部屋に駆け上がり、横になる。






沢山の事があり、疲れで睡魔が襲う。















「プルルルルッ」






部屋にあった電話の子機が目を覚まさせた。





「んんっ

うるせえな…



もしもし?」





電話に出る。













受話器の向こうはノリで、




ノリから出てきてのは信じられない言葉だった。












「おい!大樹!一年の吉川沙織が自殺した!!」










続く。