振り返れない事も
人生にはある。




あれは現実だったのだろうか?


いや 夢かもしれない。



遠い昔の夏。 それは 起こった。




夏休み、アキラ(仮名)とノリ(仮名)で良く悪さをした。




ガキの悪さだ。




学校の近くの駄菓子屋でかわいい“遊び”をよくした。




駄菓子屋はおじいさんとお婆さんで経営されていたが おじいさんはボケていた。




ボケているのをいいことにくだらない悪さ自慢合戦だ。





俺達は 授業を抜け出し、 よくその駄菓子屋に行った。




辺りは森林に囲まれ、蝉の鳴き声がひしめいている。




アキラが



「大樹、毎日 俺達ここに来て ホント暇人だよな」



俺は



「まー暇人だからここに来てんじゃねぇの?」



と返した。


アキラは何も返さずノリは“10円ゲーム”に夢中だ。




一通り遊んだ後、学校に戻る。



学校ではしけた授業が“開催中”だ。




「休み時間まで待つか」



アキラが言う。



アキラはがたいもでかく喧嘩っぱやい。

ノリはくだらない事が大好きでいつも人をおちょくっている。 喧嘩はそこそこだ。





休み時間が終わり、女子のたまり場に行く。



クラスのかわいい女子達が集まる所に行き談話にまざる。




その中で 一番かわいい ユミ(仮名)が




「高瀬達 授業サボってたでしょう! 後ろ見たらいなかったもん」



ユミはポニーテールの大人びた子で 俺は少し、 いや だいぶ気にかけていた。




アキラが




「駄菓子屋だよ駄菓子屋!ゲームの授業をやってたんだよな?ノリ?」




ノリは


「いや じじいを騙して当たりのアイスをパクった。ガハハハ」




ユミが呆れている。



もう一人の“かわいこちゃん”サキ(仮名)が



「私たちも今度一緒について行こうよ!」


と言った。




ユミは笑ってごまかす。



俺は その笑顔に“やられていた”。



「かわいいな…」



心の中で呟く。





その時、


「バアアンッ!!」


とドアを勢いよく開く音がした。





「こらあっ おまえら三人!!ちょっと来い!!」




学校で一番暴力教師の斉藤祐輔だ。




「げっ なんでバレてんだよってバレるか…」


アキラが言い、斉藤に連れてかれた俺達は



三人とも



「ぶったたかれんな…」


と心で思っていた。











そして放課後、集まった俺達は



「ったく あの馬鹿斉藤!思いっきりぶったたきやがって!」


アキラが言った。




「まー 叩かれてもしょうがねんだけどな」



とノリがニヤリと笑う。



ノリは相変わらずのマイペースだ。




「じゃあ 俺部活行くわ!」


とノリが体育館の方へ走りだした。




アキラが




「ん?あれ ユミじゃねぇの?」




アキラが あの暴力教師斉藤がユミを連れて歩いているのを遠くから発見した。



俺は


「おい あいつら体育倉庫に向かってね?」




体育館から少し離れた体育倉庫室に斉藤とユミが入っていった。




「おい、 あいつらできてんのかよ!?」



斉藤は太っていつもジャージを着て髪の薄いブ男だ。





「あるわけねぇだろ!?」



と俺が返すと



アキラが



「よし 覗きに行こうぜ!!」




アキラが走り出した。



「お おい! 待てよ!」




俺はアキラを追いかけた。





体育倉庫室には建物の下に小さい窓がある。




俺達はその前に行き、準備をする。





胸騒ぎがハンパない。




アキラが





「開けるぞ…」




と 囁く。




俺達は中で起きてる事を見て、とんでもない事件に巻き込まれていく。





まるで映画のような出来事に……








続く。