そこのジムは和術慧舟會。




地下にある 独特な臭いの道場。



入ると


とても

とても 大きな人が2人いた。




久保社長と守山代表だ。



全く寝技の経験がなかった俺はいきなりスパーを命じられた。



当時の慧舟會は膝立ちからの寝技がメインだった。




「え いきなりスパーですか?」




久保社長が



「うちはみんなそうだから」


とニヤッと笑った。



とにかくやるしかなかった。




一番最初の相手は誰だったろうか。



押さえ込みも関節技も締め技も知らない俺は 顔が腹の下にずっとあり、ただ無様に押さえ込まれ、関節技を極められるだけだった。




スパーは五分の二本しかできなかった。



俺は理想と現実の差を思いしった。



その日はそれから全く食事が喉を通らなかった。




それから何日か俺は“食らいついた”。


ある人達を除けば俺はスパーで優勢に立つ事ができた。




その頃慧舟會には村上一成さんという先輩がエースだった。



そして この頃から宇野さんなども“出稽古”に来るようになっていった。




そして 小路さんも富山からやってきた。



小路さんと仲良くなった俺は意外な“嫉妬に巻き込まれる。


どこにでも


いつでも



嫌な事は必ず起きる。



それで辞めてく人間は沢山いるだろう。


俺は “耐えた”








続く。