手術室に連れていかれた俺。



「高瀬君の腕の中に大きなガラスの破片が入ってるから 麻酔して取り除きます。」




どうやら 事故を起こした時、三頭筋の中にガラスの破片が入り レントゲンで発見されたようだった。



左腕に麻酔をかけられた。



「じゃあ 取り除くね」



医師の指が腕の中に入って筋肉をかき回す。



非常に気持ち悪い。


腕の中をかき回され血にまみれたガラスが出てきた。




「うわ… 」




腕の中をかき回されるのは麻酔をしてても気分は悪い。





それから約一週間入院した。




退院してから 警察の取り調べや家庭裁判所など“野暮”な後始末を済ませた。





この時初めて公務員の偉そうな態度に腹がたった。




事件が落ち着いても相変わらず俺は変わらなかった。




あれだけの事故を起こしても、バイクを乗り回し好き勝手やってきた。





当時 チーマーというものが流行り、俺達も真似事をしていた。




大宮に 当時 超有名なチーマーがいた。
俺達みたいな人間なら知らない奴はいないぐらいの。




その名は 鬼丸さん。

埼玉 大宮を中心に都内にもその名は轟いていた。



“パー券”

パーティーの券の略でだいたいは“オバケ”。


オバケというのは
ありもしないパーティーの券。それを後輩達に売らせて 金を稼ぐのが“上納金”の仕組みになっていた。




そして俺達にも“それ”が回ってきた。



パー券を回してきたのは隣町のIという当時俺達が恐れていたチーマーだ。


体もゴツく、とにかく有名だった。




俺と1人の後輩はソイツから7万円のパー券を回された。




17のガキが7万も集めるのは非常に厳しい。




それでもなんとかかき集め、金を用意した。




そして“上納日”。


俺達はIにハメられたのに気づいた。




携帯に電話をすると、



Iは 「おせーよ」



と言いがかりをつけてきた。




俺達は金を持ってすぐに呼び出されたスーパーに行った。



俺達を待っていたのは凄まじい暴力だった。










続く。