同級生が説明した教師Mの暴力。



「 いや なんかいきなりキレて〇〇を教室の外に髪の毛掴んで 引っ張って行って廊下の角のところでボッコボコに蹴ってたよ…」


彼は ホラー映画を見た後のように青ざめていた。



俺らは顔を見合わせ

あいつは頭がおかしいんだろうと言った。


それからもMは この生徒にやりたい放題。


PTAが動いたのはこの〇〇がMに 部活中にトイレに引きずられ トイレの中で馬乗りになってボコボコにした時だった。

親が校長室に殴り込み、さすがのMも事の重大性に気づいたのか たじろいだらしい。


しかしもっと凄いのはこの〇〇で、親が殴り込みをかけてからMが自分の前を通ると

「あーあ いてーなー 蹴られたところがいてーなー」

と聞こえるように独り言を言う。


真面目な生徒にも真面目な教師にも ちょっとズレてる奴はたくさんいた。



三年生になると、高校にいかないと…という気持ちが湧き上がり、勉強を必死にやる事になる。


悪い先輩達とも連絡を取らないようにし、勉強に勤しんだ。


この時 よくつるんでいた悪い仲間も同じ高校を受けた。



もちろんそれまでは酷かった。
我が物顔で同級生や後輩に接し、暴走族の先輩のバイクに乗って不良ライフを楽しむ。
親に愛情を受けなかった復讐でもするがごとく親に迷惑をかけた。




しかし高校受験まで人が変わったかのように生きた。


そして


合格発表の日、俺は埼玉のやんちゃが集まる馬鹿学校に入学。


俺はここで 今までのツケを払わされる事になる。



弱い人間が、更に弱い人間をたたく……

どこかのバンドの歌詞にあった言葉は 的を得ている。



中学生の時に自分がやっていた事は正にそれ、そのものだった。


強い奴とも喧嘩したが 弱い奴をいじめるのが当たり前になっていた。


反抗してくる奴もいたが、更に暴力でそれを封じ込める。


泳がないと死んでしまう魚のごとく、
弱い者を叩いた。


周りが 全て 俺の敵に見えた。



この高校では 各地から喧嘩自慢が集まってくる。


俺は自分の弱さを隠して生きた。


しかし昔の癖は変わらない。


半端な事をやり、周囲から次第に怒りを買っていった。



そしてある日の事。

“それ”は起きた。


なんとなく勘づいていたが、


授業が終わり、 俺は10人の奴らに囲まれた。



カーテンを閉められ、出口は固められていた。



「ヤバい!」


と 思った時にはもう遅かった。





続く。