映し出されたビジョンを見て目を疑った。


「あれ? 小見川先輩じゃん!!」



たまたま行った時期に吉田道場の小見川先輩は試合だったのだ。



俺はガードマンを適当な英語で振り切り、一番前の方の観客席へ行き



「ミッチィっ!!」


と叫んだ。



小見川先輩は 俺に気づき オクタゴンに入る寸前で手を上げてくれた。



相手は連勝中のブラジルの強豪だ。



試合内容はほぼ互角だった。


ブラジルの強豪が小見川先輩のパンチから逃げタックルで上を取っていたくらい。


上になっても小見川先輩の下からのコントロールでこれといった攻撃もない。


さすが小見川先輩だ、と思った。



試合が終わり判定は3-0でブラジルの選手の勝ち。


「なんだか納得いかねーな~」


マネージャーと話し観戦を続ける。


そこで試合中になんとシルベスタースタローンが観客席に登場。


観客は試合そっちのけで大騒ぎだ。


試合してる選手が気の毒なくらいだ。


そんなこんなで試合が終わり。 最後の試合は 立ち技で膠着し 観客は大ブーイングだった。


そして俺達にはもう1仕事あった。


それは ダナホワイトに会いに行く事。



ものすごい厳戒な警備も試合が終われば緩くなる事を狙っていた。


マネージャーに


「よし ダナホワイト大作戦 行きますか!」


と言って席を立つ。


一番下の階に行き、オクタゴンに通じる通路をみつけた。



「よし! ここを抜ければ ダナに会えるぞ!!」


マネージャーと通路を駆け抜ける。



オクタゴンのすぐ近くまで来る事に成功。


ダナホワイトを探す。


「あっ いた! よし 話しかけましょう!!」


マネージャーとダナの方へ近寄る。



しかし


一人の男が


「ちょっと待て!」

ダナホワイトに近づく俺達を呼び止める。


万事休すか。


せっかくダナホワイトはすぐそばにいるのに!


俺は男に説明した。

男はこう応えたのだった。





続く