俺は喧一さん達に呼ばれ恵比寿のウェスティンホテルに向かった。
ホテルに向かう途中に様々な想いが脳裏をよぎった。
「俺はこのまま どうなるんだろう」
因果律という大きな渦に巻き込まれるとなかなか抜け出す事は難しい。
人としての理(ことわり)を排して 悪魔に魂を売って生きる事も可能だ。
常に善と悪が戦っている。
黒が白を塗りつぶし、
闇が光を凌駕する。
世界には 悪の螺旋がはびこっている。
光が闇を凌駕するのは容易い事ではない。
光が喜びを 歓喜を
闇が憎しみを 怨みを
互いに生み出し、産み出していくモノは時として人の力では制御が不可能だ。
特に闇に関しては……
「流れに身を委せよう」
そんな時 ビートルズの
「LET IT BE」
を思いだした。
「なすがままに…
なすがままに…」
俺は重い足を前に進め
ホテルに入った。
奥の喫茶店に喧一さん達がいた。
話は 俺が 喧一さんの友人の方と契約するかどうかだった。
喧一さんは
「大樹 月々〇〇万で大丈夫なんだろ?」
決して高くない月給でも格闘技が出来るなら幸せだ。
しかし前の失敗もある(第2章参考)。
俺はまだ 身を委ねきれずにいたのかもしれない。
〇〇さんが
「高瀬さんをウチで契約選手としてやってもらいたい。 ちゃんとブレーンは揃っています。」
俺は まだ少し疑っていた。
〇〇さんは険しい表情をしている。
しかし俺は総合がやりたい…という気持ちが強かったのだろう。
沈黙を破り
「もう少し詳しくお教え頂けませんか?」
と言った。
「何が心配ですか?」
と聞かれ 答えに迷った。
すると
「川村会長に力添えして頂いて 高瀬さんを大きい舞台なあげます」
と言われた。
と その時だった。
喧一さんが ピクッと動き 目を見開いた。
〇〇さんも サッと態勢を変えだした。
「ん? なんだろう?」
と横をみると スーツを着た 物凄いオーラを醸し出し、一目で 「大物だ」とわかる外見で しかし偉ぶるわけでもない、一人の方が現れた。
「よう 〇〇!」
喧一さん達が席を立ち、口を揃えて
「あっ 会長! お疲れ様です!」
と言った。
そう そこには テレビや噂でしか聞いた事のない方。
芸能界のドンが俺達の席にいらっしゃったのだ。
何という偶然か。
いや必然か。
芸能界のドンを見たオレの体は まるで“ものさし”のように 真っ直ぐになった。
目の前に
芸能界のドン 川村会長がそこに、すぐ目の前に立たれていた。
この流れに俺の体は“ものさし”のまま動けなかった。
続く
ホテルに向かう途中に様々な想いが脳裏をよぎった。
「俺はこのまま どうなるんだろう」
因果律という大きな渦に巻き込まれるとなかなか抜け出す事は難しい。
人としての理(ことわり)を排して 悪魔に魂を売って生きる事も可能だ。
常に善と悪が戦っている。
黒が白を塗りつぶし、
闇が光を凌駕する。
世界には 悪の螺旋がはびこっている。
光が闇を凌駕するのは容易い事ではない。
光が喜びを 歓喜を
闇が憎しみを 怨みを
互いに生み出し、産み出していくモノは時として人の力では制御が不可能だ。
特に闇に関しては……
「流れに身を委せよう」
そんな時 ビートルズの
「LET IT BE」
を思いだした。
「なすがままに…
なすがままに…」
俺は重い足を前に進め
ホテルに入った。
奥の喫茶店に喧一さん達がいた。
話は 俺が 喧一さんの友人の方と契約するかどうかだった。
喧一さんは
「大樹 月々〇〇万で大丈夫なんだろ?」
決して高くない月給でも格闘技が出来るなら幸せだ。
しかし前の失敗もある(第2章参考)。
俺はまだ 身を委ねきれずにいたのかもしれない。
〇〇さんが
「高瀬さんをウチで契約選手としてやってもらいたい。 ちゃんとブレーンは揃っています。」
俺は まだ少し疑っていた。
〇〇さんは険しい表情をしている。
しかし俺は総合がやりたい…という気持ちが強かったのだろう。
沈黙を破り
「もう少し詳しくお教え頂けませんか?」
と言った。
「何が心配ですか?」
と聞かれ 答えに迷った。
すると
「川村会長に力添えして頂いて 高瀬さんを大きい舞台なあげます」
と言われた。
と その時だった。
喧一さんが ピクッと動き 目を見開いた。
〇〇さんも サッと態勢を変えだした。
「ん? なんだろう?」
と横をみると スーツを着た 物凄いオーラを醸し出し、一目で 「大物だ」とわかる外見で しかし偉ぶるわけでもない、一人の方が現れた。
「よう 〇〇!」
喧一さん達が席を立ち、口を揃えて
「あっ 会長! お疲れ様です!」
と言った。
そう そこには テレビや噂でしか聞いた事のない方。
芸能界のドンが俺達の席にいらっしゃったのだ。
何という偶然か。
いや必然か。
芸能界のドンを見たオレの体は まるで“ものさし”のように 真っ直ぐになった。
目の前に
芸能界のドン 川村会長がそこに、すぐ目の前に立たれていた。
この流れに俺の体は“ものさし”のまま動けなかった。
続く