試合をしないのにオーストラリアに行く事になった俺。
渡航メンバーは俺の他、詐欺師と元空手講師の最狂コンビ。
飛行機の中でもグダグダ偉そうな事を2人でずっと言っていた。
オーストラリアの空港につくと入官で “いかにもなルックス”な俺は偉そうな所員に囲まれ荷物検査。 「おいおい俺だけ!?」と思ってたら詐欺師チームは俺を残しサッサとと外へ。 そして元空手講師のなめた笑いながらの一言。

「おい 先行ってるぞ」

??????

テメエはマネージャーじゃねぇのか!?
マネージメントする人間が選手に捨てゼリフを吐いて選手を置いてく…… 俺はこのアマチュアマネージャーに怒りを覚えた。 プロ意識の欠片もない、どうしようもない人間だ。
なんでこんな奴らがマネージメント会社をやってるんだ!?と思った時俺はJロックを思い出した。
Jロック時代は 選手にビシッとマネージャーか付いて、試合当日や移動する時などうざったいくらいにピッタリ付いてくれる。正にプロフェッショナルだった。 それも社長の教えだろうし 社長が“メチャクチャ仕事の出来る人”だったからだ。 新しい入ったマネージメント会社の社長はとても人がいい…だけの人で、残念ながらこの業界、嫌われるくらいにイケイケなところがない社長じゃないとダメなのだ。人がいいと下の人間に厳しい事を言えないし、ましてや素人集団なのだから尚更だ。

「俺はとんでもないところに来ちまった……」

この時、確信に変わったのだ。 そしてその確信は確信どころじゃすまなくなるのだが…

荷物検査を終え 迎えが来ていて俺は最悪コンビと車に乗り込んだ。
俺はその車の中で景色を見ていた。
しかしその迎えに来ていた人が何やら詐欺師と話している。

「明日、こっちの有名なカイロの先生に見てもらって…」

「?? は??」

さぁ始まりました。

恐怖のオーストラリアツアーが。


続く