大阪市問題(その3)→新しい展望をめぐって
大阪市と大阪府の選挙が終わりました。マスコミは実力伯仲と書いていましたが、開票してみると大阪維新が圧勝でした。
●大阪市長選挙
橋下徹 750,813
平松邦夫 522,641
●大阪府知事選挙
松井一郎 2,006,195
倉田薫 1,201,034
■ 大阪市問題の概略
大阪市は、20年ほど前から、その公務員の横暴と公金のぼったくりで日本一といわれており、かつてのニュースステーションで久米宏氏から「日本のはきだめ」とまで言われたことがあります。つまり、日本一の借金都市、日本一の公務員の福利厚生金額、日本一の裏金金額など。つまり、公金横領の権化というわけです。橋下氏はこの問題を解決しようとしているわけです。
■地方分権の話
日本という国は、中央では大阪公務員に劣らず、官僚天国で公金横領が続いています。それに対して、多くの税金やその他の資金(地方から見たら交付金)を地方に移せという意見が出て、これが地方分権となって実現しそうでした。
ところが、多くの国民が疑問に思ったのは、大阪市問題や横浜市問題です。この大阪市と横浜市の問題は異なりますが、どちらも公金を好き勝手使うことは同じです。
このように、地方分権をしてしまうと、その自治体で公務員か利権者が公金を勝手に使うという根拠として大阪市を考えてしまうのです。
それだけではありません。全国の首長、つまり知事の約80%が旧自治省、つまり今の総務省出身で、この知事たちが総務省の官僚の天下りとなっています。この知事が総務省官僚の天下り先、現在では出向先として、出先機関やその他の組織を勝手に作っているという実態があります。
こうなると、地方分権を進めても何の意味もないことになります。
今回の大阪市長選挙で、橋下氏は、このような地方の無駄、横領、二重行政を実現した後で地方分権を進めるとしているわけです。
■スキャンダルへの反論
国会議員でも、地方の首長でも、よい政治をして、利権業者を排除しようとすると、かならず、そのような公務員や業者からスキャンダルをいわれます。そのマスコミ媒体は、週刊●●という三文雑誌です。
今回も、橋下氏について、そのようなスキャンダルをでっちあげとして伝えられました。私は、このようなスキャンダルは全面的に嘘だと思い、最初から信じていないし、そのような三文雑誌を読みません。そのような三文雑誌を読むほど、自分を過小評価していないからです。
以上から、今後、橋下氏と松井氏の改革が進むにしたがって、あらたにスキャンダルが出されると思いますが、大阪市民の人たちは絶対に信じないことを願います。
ここに1つの参考資料があります。かつて、横浜市には中田宏氏という市長がいましたが、この人へのスキャンダルや脅迫がひどく、素晴らしい政治を行っていましたがとうとう市長を辞職しました。横浜市民の多くがスキャンダルを信じたからです。
せっかく、よい政治を行っても、市民がそれを支持しないと改革は進みません。大阪市民の皆様は、ぜひこのまま橋下氏を支持して、改革を進めさせてください。
■大阪市の成長戦略
橋本氏は、大阪市の無駄、公金横領などをなくし、大阪市と大阪府を合併させて二重行政という無駄を排除し大阪都を建設しようとしています。
そして、その後というか、これと並行して、大阪市は経済の成長戦略を立てなければいけません。全国の革新首長のほとんどは経済に素人だからかもしれませんが、もっぱら無駄の排除をしようとして、多くの利権業者から反撃を受けています。
私は、今の日本の地方で成長戦略を立てて実行している人はないと思っています。仮に成長戦略を立てても、せいぜい、国からの補助金を使って「工場の誘致」や「第六次産業の推進」というものです。これが工場の進出や第六次産業の起業ならいいんですが、問題は「補助金」です。私たちの国家は、すでに1000兆円以上の借金をしており、近々財政破たんがくるといわれているときに、補助金行政では危ないと思います。
けれども、大阪府の知事が昨日の会見で言っていたように、大阪の不動産価格は極端に下落しているから投資を誘いたいと。
世界には、約6400兆円という膨大なホームレスマネーが徘徊し、投資先を探しています。もし、大阪が魅力的な投資先だと判断すれば、この人たちは間違いなく、投資するでしょう。このマネーを読み込むような成長戦略が必要なんです。
私は、橋下氏にはブレーンとして大前研一氏がついているから心配はしていません。
したがって、この成長戦略については、大前氏の指導の下で、2人の首長の改革の進行状態を見ながらブログで書きたいと思います。