何方の女性も、OSKとタカラヅカの女流戯作者の先生でした。特に、吉峰暁子さんは、1982年に日本国内の初めての、女性のレビュー戯作者となられた方でした。それまでの、OSKのジャズダンス一辺倒のレビュー構成から、バレエ場面やストーリーダンスを組み込んで、タカラヅカとはまた違った、OSKの中では非常に斬新な、レビュー構成の作品を、数多く発表されました。主に、ダンシング〜の、タイトルレビューショーを、1980年代〜1990年代初頭へ掛けて、数多く発表されて、ダンシングスピリッツやダンシングドリームと言った、30年以上経った今でも、印象に残る名作レビューショーは有りました。他にも、松平健さんのマツケンサンバの、作詞者としても有名です。近鉄OSKのファイナル公演「エンドレス・ドリーム」は、吉峰曉子さんのレビュー作品の中でも、最高の名作だったと思いました。

そして上田久美子さんですが、デビューは2013年宝塚バウホール月組公演「月雲の皇子-衣通姫伝説-」でした。私は、もっと前の様な気はしてましたが、未だ僅か11年前でしたね!。その後に、宙組公演「翼あるひとびと-ブラームスとクララ・シューマン」を経て、僅か二作品の別箱公演で、宝塚大劇場雪組公演「星逢一夜」で、大劇場デビューされました。この作品は、良かったと言うよりも、久しぶりにタカラヅカを観て、ただただ感動した作品でした。その後の、「金色の砂漠」や異色レビュー「BADDY」や「霧深きエルベのほとり」、それにサヨナラ公演となってしまった月組公演「桜嵐記」も、良い作品でしたが、上田久美子さんにとっては、儚いとっても短いタカラヅカ生活でした。

これだけ書いて来て、私は何が言いたいかと言えば、OSKにしてもタカラヅカにしても、せっかく才能ある女性作家の先生は登場しても、今回のタカラヅカの宙組問題の経緯を見てお判りの様に、タカラヅカもOSKも、両方ともに女性だけの歌劇団と言われながらも、結局は男性社会の一つの駒に過ぎない、出る杭は打たれる、そうゆう閉鎖的な世界だと、感じたのでした。