成功例は劇薬 | 宝塚発達心理ラボ <臨床心理士たちの研究会> 情報提供・発達支援・アセスメント・教材研究・不登校・ひきこもり支援

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宝塚発達心理ラボは、地元の臨床心理士たちによる有志の研究会です。日々の学びを地域に還元したいと願っています。学習会・イベントの開催・情報の提供など行っております。

ひきこもっている人に、

「そんなんじゃ駄目!」
「変わりなさい!」

と言葉を投げかけることは、

その子の今の状態を
否定していることと
同じかもしれません。

会社で偉いポジションの父親が
子どもによくしてしまう失敗ですが、

「世の中ではそんなもん通用せん!」とか

自分の成功例を延々と語ることです。

これは本人を奮起させようする
お父さんなりの
働きかけだとおもうのですが

本人にある程度
エネルギーが溜まっている状態でしたら
いいです。

父の成功例は効果があるかもしれません。

しかしエネルギーが少ない状態の人には

他人の成功例は劇薬です。

ますます
今の自分がみじめに感じるかもしれません。

人との比較ほどこの時期
嫌なものはないのですから。

ひきこもっている子には
むしろ失敗談のほうが
入りやすいかもしれません。

「あのとき失敗したけど
なんとかなったよ・・」

という流れならば

きっと抵抗は少ないでしょう。

失敗談から入って、

本人のいいところを伝えて、

できそうな変化を具体的に言ってあげれば

もしかすると
それが
小さな一歩のきっかけに
なるかもしれません。