大晦日ですね。

心を痛める出来事を知った10月1日から心が晴れる日がなかった2023年も終わろうとしています。

総括は今夜出来たらいいなあ、と思っていますが、その気になれるかどうか。。。。。

 

 

さて、2023年最後にアーカイブ配信を観た舞台についての感想が書けていなかったので、年を越す前に書いておきたいと思います。

(一応見た後から、ちまちま書いてはいました)

 

12月27日(水)、購入していた日生劇場「ベートーヴェン」のアーカイブ配信を観ました。(帝劇と間違えていました。ご指摘ありがとうございました)

やっと時間を作って見ようと思っていたこの日の午前中に配信トラブルがあったため、ちょっとイライラしちゃったのですが、午後には復旧されていました。

そして配信期間が1日延びて1月1日までになるそうなので、もし時間があればもう一度元旦に観ようかなと思っています。

 

 

 

 

私はこの舞台は生で観たいと思っていくつか抽選に応募したのですがすべて外れてしまったのでアーカイブ配信を楽しみにしていました。

で、観終わって思ったのはやっぱり生で観たかったな、ということでした。

ミュージカルという名の通り、セリフは少なくほぼベートーヴェンが作曲した曲に歌詞をつけて綴られていく(台詞が歌にのる感じですね)し、圧倒的な歌唱力の井上芳雄さんの歌声を生で全身に浴びたかったなあ、と感じたのでした。


 

とにかく芳雄さんの歌が素晴らしかったです。

クラッシックの曲に乗せて歌う歌声は、時に激しく狂うように、時に優しくささやくように自由自在で、生の舞台で聴きたかったなあ。

 

楽曲は後半でトニ(花總まりさん)がソロで歌う「千のナイフ」(私はプログラムを買っていないのですが、歌詞で何度も出てくるので「千のナイフ」で調べたらそれが題名そのものでした。お花さまの心から絞り出すような歌唱は素晴らしかったです)以外はすべてベートーヴェンの楽曲から構成されているのですね。

 

私はクラシック音楽は全く知らなくて、ベートーヴェンは有名な第九とか「運命」とか「月光」とか「エリーゼのために」ぐらいしかわからないし、ベートヴェンという人物は耳が聞こえなくなってからも素晴らしい作曲をした人ということぐらいの学校の音楽で習う程度の知識です。

ただ、宝塚歌劇雪組さんの「fff(フォルティッシッシモ)」でベートーヴェンの生涯はなんとなく知っていたので、理解の助けになりました。

 

「fff」を見た時の感想↓

 

 

「fff」を見た時と同じでベートーヴェンという呼び方よりルードヴィヒと呼んだ方がいいのかな。

「fff」はルードヴィヒの生涯を時系列に作曲した順に並べていたように感じていましたし、ルードヴィヒの孤独な内面を「不幸という運命」役の真彩希帆ちゃんとのやり取りで表現していました。

 

 

今回の「ベートーヴェン」は、ルードヴィヒの「不滅の恋人」に焦点を当てて、なかなか常人からは理解してもらえない孤独なルードヴィヒが唯一心から愛したトニとの叶わぬ恋を中心に描かれていました。

(「fff」にはトニって出てこなかったよね???)

 

 

ホームページのイントロダクションを引用します。

=====

今回、クンツェ&リーヴァイは、ベートーヴェンの〈愛〉をテーマに、【父からの虐待】、【弟との確執】、【貴族からの独立】、【幻聴による強迫観念】そして【叶わぬ恋】と、様々なエピソードを織り交ぜながら、実際にベートーヴェンが残した膨大な楽曲群を紐解きつつ、メロディに歌詞をつけ、旋律を再構築し、各シーンに当てはめていくという、画期的で気の遠くなるようなアプローチを試みている。

=====

 

なので、楽曲は作曲された順ではなくて、ルードヴィヒやトニの心情や状況に合わせて使われていました。

 

 

そのルードヴィヒが作曲した素晴らしい音楽に芳雄さんの歌唱がものすごくマッチしていました。

そして心情に合わせて背景の映像に稲妻が走ったり雨が降ったり川があったり(ありましたよね?)、特に雷がルードヴィヒの怒りだったり慟哭だったりを象徴しているようでした。

映像も素晴らしかったですね。

 

そしてお衣装。

当時のファッションを反映しているようで、特に女性のお衣装がいわゆるシュミーズ・ドレスで私はトニの義理の妹のベッティーナ役の木下晴香ちゃんが着ていたお衣装が好きでした。

もちろん最後のお花さまの白のドレスも素敵でしたね。

 

 

ではキャスト別の感想です。(敬称略)

 

・ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(孤高の音楽家): 井上芳雄

芸術への崇拝とどんな人にも迎合しない気難しくて傷つきやすくてそして愛する人には犠牲を厭わない人物像を繊細に鮮烈に演じていました。

いつも後ろに手を組んで少し背を丸めて歩く姿がルードヴィヒを象徴しているようでした。

特に1幕は本当に歌が多くて熱唱で、芳雄さんの本当の実力のようなものを強烈に感じました。

本当に生で全身でその情熱を感じたかったです。

 

 

・アントニー・ブレンターノ(ベートーヴェンの想い人“トニ”): 花總まり

お花さまは見るたびに歌唱が上手くなっている気がします(上から目線でごめんなさい)。今回特に「千のナイフ」という楽曲が私にとっては素晴らしかったです。

偽善的で圧力的な今でいうハラスメントの塊の貴族の夫から疎まれる冴えない子持ちの中年の母親もできるんだなあ、というか意外と合っていると思っていたら、ルードヴィヒに出会い、愛するということを知りまるで少女のように頬を赤らめドギマギする姿は本当に可愛らしくてきらきらと淡い光を放ち始め、お花さまの凄さはやっぱりこういうところだと改めて感嘆しました。

これからもお花さまの舞台はコンスタントに観たいなあと思いました。


・カスパール・ヴァン・ベートーヴェン(ベートーヴェンの弟): 海宝直人

とても楽しみにしていた配役でしたが、出番が少なく勿体ない感じでちょっと残念でした。

妻を愛しながらも兄であるルードヴィヒへの尊敬と愛情と、そしてなんとなくですが少し卑屈さも感じました。

それが兄弟の違いを浮き立たせていたように思います。


・ベッティーナ・ブレンターノ(“トニ”の義理の妹): 木下晴香

名前は知っていましたが多分私にとっては初めましてだったのですが、美人だし歌は上手いしセリフは明瞭だし、とても素敵なミュージカル俳優さんですね。

てきぱきしている勝気な感じがよく似合っていました。

この人がヒロインをする舞台も観てみたいなあと思いました。

 


・バプティスト・フィッツオーク(野心家の弁護士):渡辺大輔

見るからに野心家のいやらしい悪役をいやらしく演じていましたね(褒めてます)。最初はキンスキー公について次はフランツにつくというお金がすべての人物でした。


・ヨハンナ・ベートーヴェン(カスパールの妻): 実咲凜音

みりおんが卒業してから初めて見た作品となりましたが、ちょっと分が悪い役というか、ルードヴィヒにめちゃくちゃ嫌われているところから始まりそれ以降あまり出てこなかったので残念でした。

「千と千尋」に出るのですよね。観れたらいいなあ、と思っていますが、チケット参戦遅れてます(;^_^A(華優希ちゃんも観たいのに)

 


・フェルディナント・キンスキー公(ベートーヴェンのパトロンの一人): 吉野圭吾

明日海りおちゃん(みりりん、みりおちゃん)主演のエリヘレに出演してくださっていたので楽しみにしていました。

この役も吉野さんが勿体ない感じで印象的な目立つ役ではありますが、もっと観たかったなあ。


・フランツ・ブレンターノ(銀行家であり“トニ”の夫): 佐藤隆紀

お金が全ての実業家を悪役らしく演じていました。演出の問題だと思うのですが、なぜそれほどトニを貶めようとするのかの背景がよくわからなくて、そこがもう少し書き込まれていたら良かったのになあ、と思いましたが、歌はさすがでした。

 

ということで、もし再演があり芳雄さんがルードヴィヒを演じるなら、その時こそ生で観たいなあと思います。

 

。。。。。

 

ちまちま書いておりましたがやっと掃除の合間に書き上げることができました。

残り10時間余りで2023年が終わりますね。

夜にまとめのブログはアップできないかもしれませんので、年末のご挨拶です。

 

今年も誤字脱字が散見されるつたない拙ブログを読んでくださりありがとうございました。

皆様どうか良いお年をお迎えくださいませ。

 

来年は心穏やかに過ごせる年になりますように。

宝塚歌劇団が良い方向に向かいますように。

そして明日海りおちゃんの舞台がたくさん観られる年になりますように。

煩悩だらけの私ですが、来年もよろしくお願いいたします。

 

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