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破片 - 言葉がものであるとして -

詩という言葉をこの世からなくしたい

詩人(仮)
たからじま(ペンネーム)

20151117 20150705
プカプカ浮かぶ言葉 改

プカプカ浮かぶ言葉に水をあげよう
プカプカ浮かぶ言葉は舟になって
明日の海原に浮かぶ

プカプカ浮かぶ言葉は何処へも行かず
ただそこに浮かんでいる
ただただ浮かび続ける


そんな言葉が世界にあれば
そこに勝手に望みを託す

プカプカプカプカ
浮かび続ける

何の変わりもない
浮かんでいること以外に

解釈という波に揺られても
ただただそのまま
そこにあるだけ

20141020 20140831
コミュニケーション 改

『コミュニケーション 1』

コミュニケーションが
希薄な時代だと

みんな言っているけれど
たしかにそうだ

一人で
トンテキを食べて
生ビールを飲んだ

そのお会計に
2,100円を
差し出した

お姉さんが
笑顔で
500円玉の
お釣りをくれた

あっ、
コミュニケーションだ

知らない人と
読み合える
囲碁でも始めようか

それとも
詩を書こうか
コミュニケーションの


『コミュニケーション 2』

詩の続きは
書くべきなのか

あくまで
自分の問題
だけれど

自分は
他者としての
自分なのか

決められた
行動規範に
従う

自分であって
自分でないもの

すなわち
他者として
存在している

自分の中の
他者

自分で
ありそうで
気持ちわるい

自分自身で
ないもの

そんな他者を
見つめる
自分

エレベーターで
トンテキ屋から下る

乗る順番を
譲り合う

あっ、
コミュニケーション
ここにも

共有できる
ことがら

ホッと
する

コミュニケーション

詩の
続き
20141020 20140706
とどろく現在 改

カミナリはいつも新しい
今だけの音

ピカッと光ったあとの
時間差の雷鳴
現在が届く

古い映画の中で
鳴っているカミナリ

光と音の分裂症
化石にされた現在

世界が簡単に
作れてしまうような
記録の実験

カミナリのない世界への
メッセージとして記録したとき

そこに添える
注意書きとしては

総合芸術以上に
全身を揺るがし

すべての感覚の
枠組みを意識させるもの

そこに
空間があり
時間があることを

カミナリはいつも新しい
現在の瞬間でしかない

ただその光と雷鳴だけが
今を感じる証拠
20150805 円周率の使い方

円の面積の公式は

半径×半径×3.14
にするよりも

直径×直径×3.14/4
にしたほうがいい


円の面積が
直感的に

直径×直径の
正方形の辺に
押されて収まる

イメージが
できる


この囲んでいる
円卓に
乗っている皿や

そこに
乗っている
その料理にも

円は
いったい
幾つあるのだろう


どれだけの
正方形に
収めて

どのくらいずつ
取り分ければ
いいのだろう

円周率は
お腹が空く
20150805 『望むもの

まず欲しいのは
自由

自由は案外
簡単に
手に入る

昔は
自由を
持っていた


そして次に
美しいもの
望んだ

美は
たどり着かない
もの

どこまでいっても
充分という
ことはない


追いつづける

追うと
手に
届かない


あるとき
周りが
美で囲まれて

とつぜん
欲望が
訪れる