今年はナンチャラ座流星群とか別のナンチャラ座流星群とか
地球の近くに来て、たくさんの流れ星が見られた年だそうです。
そのうえ、金星、土星、すい星、木星、がお月様の周りに集まり月食も
あるそうで、天体観測の趣味の方には、たまらない年になりそうです。
小学生の時のことです。
毎年恒例の夏祭り(盆踊り)が小学校のグランドで行われる。
グランドの真ん中にやぐらを組んで,たくさんの色とりどりの提灯を付けたロープを
四方八方に伸ばし、提灯の灯りの下で櫓の周りをたくさんの方が踊りながら回る。
櫓の上では、ハチマキを締めたハゲ頭のオッチャンが、右手にスタンドマイクを握り
左手にはお酒の入った湯呑を持って「山陽音頭」をうなるように唄ってる。
僕は、盆踊りなんて全く興味がない。
目当ては屋台!
田舎の変わらない毎日の生活のなかで向こうから、たこ焼き、わたがし、
おもちゃ屋さんがやってくる。
僕にとってはありがたい絶好のチャンスです。
浴衣を着て、ひと通り屋台を廻り、おこづかいをキッチリ使い果し、満足しての帰り道
偶然に近所の浴衣を着たK子(同級生)と一緒になり、手はつながないけど楽しい川沿いの帰り道です。
前にも、後ろにも人がいない。浴衣を着て下駄をはいた二人だけの薄暗い夕方の世界である
まるで映画のワンシーンのようである。
時間が止まるといいな?と、思ったらK子の足がピタッと止まった。
小学生である、ちょっと早い気がする。
目を閉じて、手を合わせるK子。
きた!きた!きた!
K子が小さい声で
「流れ星」
慌てて真似をする僕。
流れ星が消えるまでにお願いをすれば叶うという。
「ねぇ、ねぇ、ヒデくん、何をお願いしたの?」
「K子は何をお願いしたの?」
「う~ん ナイショ ヒデくんはなになに?」
「う~ん ヒミツ」
だって手を合わせ、目を閉じれば出てきた言葉は
「南無阿弥陀仏」