娘の爪切りは主に私の担当である。
娘が乳を飲んでいたころは、
母乳に無我夢中で喰らいついている
娘の爪を切るのはさほど難しくなく、
妻に体勢を調整してもらいながら
すらすらと切っていた。
しかし、1歳の誕生日を目前に
娘は、ことのほか、あっさりと卒乳してしまった。
娘は特定のモノにのめり込む気質ではないようで、
一つのおもちゃでずっと遊ぶということはあまりしない。
また、夢中で遊んでいるモノを
安全上の都合で取り上げても、ほとんどの場合
非難の雄たけびを上げることなく、別のおもちゃで遊び始める。
母乳にすら執着しない、あっさり女児。
ケ・セラ・セラ・世良・世良公則なのかも知れぬ。
手がかからないのはいいのだが、もっと喰らいつけと。
何か必死で物事に取り組んでみてはどうかと。
爪切り担当の父としては言いたくもなるのだ。
なぜならば、爪を切る隙がないのだ。
音と芋。
おとといも、
テレビにクギ付けになっている隙に
お手を拝借しようと紳士的なアプローチ。
で爪切りを試みた。
にもかかわらず、
エイッと一喝。手を振りほどかれてしまった。
もう一回近づこうとすると、
エーイ、エイッと二喝。
だみだ。
あっさりはしているが、為されるがまま。
という性格ではないようだ。
それは、やっかいな性格だ。
寝ている隙に切ってしまいましょう。
と、育児書はいう。
昨晩、早速やってみましょう。しました。
これがけっこう難しい。
娘に感付かれないように近づき、
懐中電灯で作業箇所を照らし、
娘の手に負荷をかけない角度から、
カドが残らないようにスルッっと切る。
まあ、そんなに寝返りを良くするもんだ。
あんた、松永か?斉藤か?
寝返りの度に懐中電灯の角度と、
自分の体勢の入れ換えをしていると
ガサガサした雰囲気が娘に伝わり、
更に寝返りが激しくなる。
だみだ。こらぁ、専用の道具が必要だ。
明日、業務用ホームセンターで
ヘルメットと
ヘルメットに装着するヘッドライトを買おう。
これで万が一、
爪切り作業中に落石があっても安心だ。
何よりヘッドライトが視線の方向を
勝手に照らしてくれるのだ。
でも、そんな格好の父親に
爪を切られる娘の気分はどうだろうか。
万が一途中で目が覚めたときに、
私の姿を見たらトラウマになるのではないか。
と、逡巡していると。妻が。
昼寝のときに切ります。
そらそうだ。
娘がトラウマにならなくて済むなーという安心感と
一つ仕事が無くなるなーという喪失感が
ごちゃまぜになって。寝酒&ブログ。
