先日は高学年チームの実践系の打撃練習のお手伝いで主審役をしました。チームで一番バッティングが良いと言っていいでしょう6年生キャプテンのY君が打席に立ちました。
Y君は身体に恵まれた選手ではありませんが、重ためのバットを扱うことができ、外野の頭越えの当たりをよく飛ばします。
で、高めのボール球っぽいのが来て、タイミング的に振る気配が感じられなかったので、
「あー見逃すんだな。」
と思いきやセンターオーバーの打球が飛んでいたので
「振ったんかい!」
と、とても驚きました。
以前、高校時代の清宮選手(早稲田実業高校→日本ハム)と対戦したキャッチャーの選手から対面で聞いたことがあるのですが、
「見逃してくれると思った瞬間、打球がスタンドに向かって飛んでいました。スイングスピードが普通の高校生とはまるで違うと感じました。」
と言ってました。
この話を聞いたとき、なんとなくしか感覚がわかりませんでしたが、Y君のスイングで
「こういうことか!」
とはっきりとわかったような気がしました。
高学年の監督さんも
「おぉ、高めを上手く叩いたな。」
と言ってました。
Y君はテイクバックでグリップが少し下がるのですが、そこからでも叩けたのは、おそらくですがミートポイントに向かいながら前腕の脇が締まることによってヘッド(芯)が低めから高めに勝手に立って来るスイングができたからではないかと思います。グリップを上から下に持って行く感じではなかったはずです。Y君のスイングはグリップは下がったところから始まるので。
そう言えば、チームで一番いいスイングをしていると私が思っている4年生のB君が、同じ4年生とバットを持ちながら話しているとき、
「波打つスイング」
と言って本当に波打っているように見えるスイングをわざとしていました。これを見たときB君の凄さを感じ、
「ああ、これができるからB君は質の良いスイングができるんだ。」
と確信しました。
Y君の高めを打ったときのスイングもおそらく同じ質のスイングです。
B君のお父さんコーチに
「波打つスイングを教えたんですが?」
と聞いたら
「それは知らないです。波打つスイングってどんなスイングですか?」
と逆に聞かれてしまいました。
どこで覚えて身に付けたんでしょうね?
後でお弁当を食べているとき、
「さっき波打つスイングしてたけど、どうやってやるの?」
と聞いてみたら案の定、前腕の脇を上げておいて締めていくようなしぐさをしていました。
基本は水平スイングでも感覚的にはヘッドは一度下げるような感覚で前腕の脇を締めて立たせていくのが質の良い叩き方かと思います。