※このブログは堀江からの手紙をもとにスタッフが記載しています※

 刑務所内で読んだ書籍で最高だった『天地明察』の書評をブログにも掲載したいとのことでしたので,
ブログにてお知らせします。(by スタッフ)
 
『天地明察』(冲方丁)

 ずっと読もうと思っていた本。江戸時代中期の理系オタクたちの青春ストーリーである。
 彼らの出会いの場となった渋谷の金王神社と私は実は縁がある。というのも、神社にある鳥居の隣は、『ライブドア』の前身『オン・ザ・エッヂ』のオフィスビルがあった場所なのである。
 そこの場所で、主人公の渋川春海と和算の祖、関孝和。そして、春海が気になっていた少女「えん」が出会うのである。何故か? それは算額絵馬という、数学の問題と解答とをやりとりするシステムができあがっていたからだ。
 ヒロインの少女えんは、まさにツンデレ。理系男子の喜びそうなキャラである。2012年秋公開予定の映画版では、えんを宮崎あおいちゃんが演じるそうだ。メチャクチャ楽しみである。

 内容的に前半ストーリーの進みが遅く感じるのだが、後半は一気に読める。ていうか、メチャ面白い。特に天体測量のために春海が観測隊の一員として、50代60代の隊長らと同行するシーンがあるのだが、彼らの永遠の少年ぶりが面白いのだ。というのも、同じような人々を私は知っているから。私と一緒にロケット開発している仲間たちはもう40代後半なのだが、永遠の少年なのである。話しぶりもそっくり。理系オタクたちは時代が変わってもメンタリティは同じなのだ。
 江戸時代の科学技術レベルの高さが分かる一冊でもある。マジ超カンドーの一冊。必読だろう。

天地明察
冲方 丁
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 675