恐竜絶滅 1回の小惑星衝突が原因 直径10~15キロ

さて、この恐竜絶滅論に一定の結論が出たわけですが、この結論そのものにはあまり興味がありません。私が興味あるのは、この隕石の衝突によって大量のイリジウムが地球上にばら撒かれた事が事実に限りなく近いことが分かったと言う事です。そもそも隕石衝突説は地球上のほとんどの地層に存在していた高濃度のイリジウム層から生まれたといっても過言ではありません。

その後メキシコのユカタン半島近くに隕石衝突の痕跡である巨大海底クレーターが見つかったりと傍証は沢山されてきた。この高濃度のイリジウムは地表にはほとんど存在しないイリジウムの主要な産出元とも言われており、つまり隕石がこれを運んできたというのは宇宙探査にとっては非常に追い風になるものだ。

イリジウムのような重金属は超新星爆発の後太陽系のような恒星系が形作られるときに惑星が形成されその内部に重さで沈み込んでいく。つまり地球でも内核の深部に重金属が大量に存在するという説は根強い。そして惑星のなりそこないであるとされる小惑星の中には、地球の内核と同様に鉄・ニッケルの合金と同じような組成のM型小惑星が存在する。

そこにはイリジウムのような重金属が大量に存在するM型小惑星も大量に存在する可能性が高くなったわけだ。私達は月や火星探査よりも小惑星探査のほうが重要だと感じている。植民するにも最適だ。5mも掘れば宇宙放射線は遮断できるし、なにより無重力環境が直ぐ傍にあるのがいい。宇宙に行く理由は無重力環境がすぐに手に入ること、そして移動がしやすいことに限る。火星など行ったはいいが、帰るのも一苦労だ。

さらに水があまり存在しなさそうなので、資源獲得も難しそうだ。地球上の資源は火山と水の相互作用=熱水鉱床や生物によって作られた資源が多い=石油・石炭・石灰石・酸化鉄など。地球から資源を宇宙に持っていくのはコスト面でも難しい。だから遠くに行くための設備は宇宙で獲得するしかない。

その点小惑星は、水が氷の形で存在しているし、M型小惑星など資源も豊富である。さらにレアメタルが取れるとなると、地球に輸送しても採算が合うかもしれない。地球への落とし方が問題とはなるが、レアメタルなら少ない量でも十分だろうと、さらに宇宙開拓計画の将来性を感じた、今回のニュースでした。

小惑星探査計画には下記の本が詳しい。

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