携帯通信機メーカーにガラパゴス化の反省はあるのか? - 松本徹三

なんだか、総務省が選挙の最中の空白時期に天下り先携帯電話メーカーに海外再進出を指導したとかなんとかいうニュースも流れていたような気もするが、そもそもそんなのイマドキ役所が指導するようなことかいな?なんか「官僚たちの夏」なんてもう、今の時代、時代遅れなんじゃないの?っていうか、官民一体でとかもうどうでもいいかなって感じがする。

実際の所、前職でも役所の世話になったことなどほぼ無いに等しいし。インターネットの普及に役所が役に立ったことなどあるのか?逆に邪魔ばっかりされていた気がするよ。

それと、もう既に「日本」企業なんて幻想だと考えるべきだ。ソニーなんて半分は外国人株主だし、実際のところ製品は海外でも多く作られ海外で消費されている。CEOも日本人じゃない。それでも「日本」企業なのかいな?話はそれるけど、エルピーダメモリーとか税金で助けるのは納得いかない。

日本の携帯電話メーカーなる存在が世界市場に出て行かなかった(出て行けなかった)のは、日本の市場が十分に大きいからということも出来るだろう。少なくとも携帯電話ユーザが右肩上がりの成長を遂げていたときは日本市場で十分利益を上げられたし、通信会社が法外な販売インセンティブを光通信のような販売代理店に払っていたせいで、端末を実質タダでユーザは入手できていたことが大きい。

つまり、高機能で高い製品が飛ぶ様に売れるわけだ。SIMカードを差し替えるだけでどこの通信会社も使える携帯に法外な販売インセンティブを払う通信会社はないから、海外では日本の高機能携帯は売れない。まあ、海外用に格安の携帯電話を薄利多売で売ればよかったのだろうけど、やっぱり技術者は高機能なものを作りたがるし、高くて粗利も高ければ高機能・高価格の国内用に事業を集中するのは自然な気がするのだ。

そしたら、アップルにその間隙を突かれてiPhoneが世界で大成功してしまったという訳である。日本ではお世辞にも大成功とは言えない状況だけど。私も未だにセカンド携帯のネット閲覧端末としてつかっているし。

んで、何がいいたいかといえば、総務省の役人がいくらガラパゴス携帯の非ガラパゴス化を求めてメーカーに指導しようが、いわゆる「日本のメーカー」が頑張って海外進出をしようが、iPhoneに勝つのは無理じゃねーの?って話。ハードの問題じゃなくて見せ方とか使い方の問題で、iPhoneは携帯ではなくパソコンの小さいやつと考えたほうがいいと思うんだよね。電話はおまけだと思うし。リアルタイムのコミュニケーションを音声メインでやるって流れもだんだん変わりつつあるとおもうんだけどなああ。。

「日本」企業とか、官民一体とかそういうの、もう息苦しいからやめてほしい感じがする。もっと自由にやらせろよって感じ。大きな事業やりたいなら普通に経産省とか総務省とか入らずに起業したほうがいいって。

なんか、こういう本も読んだほうがいいのかもしれないね。