ちょいと、時間が掛かってしまいました。財務諸表の細かい部分に対する重箱の隅つつき的批判を5年も経過して、当時の財務担当者とも、監査法人とも連絡が取れない状況で分析するのには骨が折れます。

「幻の優良会社をデッチ上げる」とありますが、これこそ完全に憶測ですね。中核も何も前回のエントリで説明したとおり、当時は今から見ると明らかにネットバブルであり単純に市場原理で株価が高騰していただけの話でしょう。第二のトリックとされているものも、投資単位の引き下げという東証の要望にこたえた株式分割と、通常の公募増資です。

第3のトリックとして粉飾決算が上げられていますが、少なくとも刑事裁判で争っているものについて、彼はなんら指摘をしていません。それ以外はあの鬼の特捜部が事件性無しとしたものであり、彼の指摘は決算書の粗探しをして、粉飾なんじゃないか、と言っていたがそれは間違いだったということを公式に認められたということでしょう。

ソフトウェア事業の仕掛品の部分に関しては、どうして片方では表記されず、もう片方で表記されているのかは、今のところよく分かっていません。今は社内の人間でもないですし、手元に資料もありません。担当者とも連絡つきません。どっちにしろ、その辺の決算については東京地検が精査していますし、税務調査もその後入りましたが、特に問題視されていません。

ライブドア単体の不良債権に関しては、第8期までは売上の大半はウェブ・システム関連であり、あまり不良債権が発生するような一社億を超えるような売上はほとんどなく、回収懸念債権に関しては売上を取消すなどの処置をとっていましたから、そもそも貸倒れにならないのです。要は普通の会社みたいに、回収できるか分からないような売上を無理して立てなかったということですな。ある意味堅実すぎる経営をしていたがために、このような会計士に疑われてしまうというとんでもない状況だったわけです。

日本グローバル証券(株)は買収したときは、日興グループのどうしようもない駄目証券会社でした。だから、逆暖簾代が発生するような価格でTOBしました(純資産価値より安く買った)。ですから、不良債権も抱えているわけですが、これは最近、裁判に関わって会計士から指摘されたのですが、数十億の累積損失も抱えていて、その後ライブドア証券になり多額の利益を計上するようになるわけですが、この時点ではコンサバティブに、繰延税金資産を連結純利益には計上していません。それくらい堅く決算をしていたわけです。

買収した子会社等に関する営業権や連結調整勘定を、毎年償却するように変更したことにも難癖を付けられています。買収した会社が過去に累積損失を抱えていたからといって、それがライブドアの買収後に優良会社に生まれ変わることについて、彼は疑問を持っているようですが、そもそも前提となる「株式の交換とかTOBによって買収した会社のほとんどが累積赤字の会社」が間違っています。たしかに日本グローバル証券やバリュークリックジャパンは赤字でしたが、たとえばプロジーやクラサワ、ウェブキャッシングなどは直近決算は黒字でした。

そもそも赤字の会社を買うことは揶揄されるべきものではないでしょう。赤字だからこそ、安く買えるわけです。キャッシュを注入しビジネスモデルを変え、ライブドアグループで経営改善を行えば、大きな資産に化けると思ったから購入したわけです。実際のところ、バリュークリックジャパンに関しては裁判で係争中なので、置いておくとしても、ライブドア証券の決算は買収した翌期からFX事業や投資銀行業務が寄与して大きな黒字を計上しています。繰延税金資産のおかげで、無税でした。また、600万円で購入したビットキャッシュも年間億を超える利益を計上するようになりました。クラサワも8億で買って光通信グループに10億程度で売却したと思います。そのように成果がでているわけで、通常資産計上すべきケースではないかと思います。

むしろ将来的に期間利益が見込まれるにも関わらず、それを償却しないほうが、実体を反映していないと私は考えました。例えば今は禁止されていますが、楽天などは旅の窓口事業などを300億円程度でしょうか、一括償却したりしていましたが、その事業が今も継続して大きな収益を上げていることはご存知の通りです。一定期間で償却するというやり方のほうが実体にあっているでしょう。その事業が不良債権化したら、その時点で一括償却するべきです。

一括償却すると、当期純利益は減りますが、営業利益は嵩上げされます。当時のITベンチャー企業がどのような基準で市場に評価されていたかを考えれば、どちらが決算の「お化粧」っぽいか分かると思いますよ。

「付記」に関しては私はこの全く根拠ない憶測に失笑を禁じえません。エフェクター細胞研究所の株価が上場後暴落したのは、確かにライブドア証券公開引受部の失敗ではありますが、きちんとした手続きを踏んで公開価格の取り決めもなされています。だからといってそれを詐欺といってしまうのは問題があるのではないでしょうか。それこそ、株価を維持させるために不透明な買いを入れたりして処分される証券会社だってあったわけですから。そういうことをしていたら問題ですが、そういう違法行為をしていたわけでもないでしょうに。

その5に続きます。また時間があるときに。

最近読んだ漫画↓



山登り系漫画の傑作「岳」の作者の短編集です。


岳 9 (ビッグコミックス)
石塚 真一
小学館


おまけ画像。今日早朝ゴルフ行ってきました↓富士山がきれいすぎる!

六本木で働いていた元社長のアメブロ


あと、イベント告知です。
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【件名】
あの「ホリエモン(堀江貴文)」の講演会を天才工場にて開催!
【本文】
堀江貴文さん講演会のお知らせです。

先日発売となりました
堀江貴文氏最新著書『徹底抗戦』の出版を記念し、
講演会を開催いたします。
講演タイトルは、『逮捕前夜』。

ライブドア事件から2年が経過しました。ラジオ・テレビ・球団買収や選挙出馬、宇宙旅行事業など時代の風雲児として活発な活動をされ、「ホリエモン」の愛称で
日本全国で知らない人はいなくなった堀江貴文氏

しかし、あの突然の「逮捕」により
堀江氏を取り巻く環境は激変しました。

「あの逮捕」について、インタビューや書籍でも伝え切れなかった真実を、
今回のイベントの参加者だけに、
ついに明かします。

■講演タイトル

 『逮捕前夜』

■講演内容

1)なぜ私は逮捕されたのか?
2)「逮捕前夜」に何が起こったのか?
3)この3年間の思いと今後の戦い
4)支援者のみなさんにどうしても伝えたいこと


■日時 
2009年6月12日(金)
19:00~21:00

■会場 
ニューピアホール 
JR山手線浜松町より徒歩5分 
※羽田からモノレールで直行便あり。地方の方参加大歓迎!

■地図
http://www.newpier-hall.jp/location.html


■受講料
1万円   (シルバー席)  396席 11列目~。
1万2千円 (ゴールド席)  360席 最前列左右席 2~10列目。
3万円   (プラチナ席)  48席 最前列中央席 2列目中央席。
すべて税込みです。

■参加方法
以下の申し込みフォーマットにご記入ください。
入場チケットを直接、会社やご自宅までお届けします。
料金はチケットと交換(代引き)になります。

【パソコンからのお申し込み↓】
https://ssl.formman.com/form/pc/VnHuzpt9q1iiImgt/

【携帯電話からのお申し込み↓】
https://ssl.formman.com/form/i/VnHuzpt9q1iiImgt/



■当日のタイムスケジュール
18:30 入場開始
19:00~20:30 講演会
20:30~21:00 質問タイム



■参加者特典

・ゴールド席、シルバー席
堀江貴文氏の書籍『徹底抗戦』プレゼント。

・プラチナ席
堀江貴文氏の書籍『徹底抗戦』プレゼント。(サイン入り)
堀江貴文氏のトークライブCD3枚組プレゼント。(1万3000円相当)

その他、サプライズ特典を準備中。
(例)受付で名刺をいただいた方、抽選で5名様を2次会に無料ご招待。

■講演会主催
(株)天才工場
お問い合わせは以下のアドレスへどうぞ。
    ↓
book@tensaikojo.com