拘置所に入っていた頃、初めて大量に小説なるものを読んでみた。これまでは主に経済モノのノンフィクションくらいしか字だけの本というのは読んでいない。普段は雑誌か漫画である。せっかくの機会なので興味を持っている作家のものを読破してみようと思った。

正直、官能小説家だと思っていたので、渡辺淳一氏の小説にはまったく興味がなかったのであるが、文庫本の巻末にあるジャンルの似ているほかの作家を紹介している広告欄みたいなのを頼りにしていた私は、ふと彼の書いた「花埋み」という小説を見つけたのだ。医学モノは大好きな私は早速日本最初の女医といわれている荻野吟子の物語である、この本を取り寄せてみた。

期待に違わず、明治時代の女医の生き様を、栄光と挫折に満ちた人生が描けていて著者に興味を持ってしまった。寡聞にして知らなかったのであるが、彼はもともと札幌医科大学の整形外科医であったのだ。それが、有名な日本初の心臓移植手術が母校で行われてしまい、それを批判する形で大学を去っていくのである。北海道で医者と作家の二足のわらじを履きながら、時に迷い、最後に決断する。彼の自叙伝的作品が、「白夜」である。5巻にもわたる大作であるが、一気に読めた。

当時の経験がその後の創作活動に厚みを与えているのだろうか。「失楽園」のイメージが強すぎる著者であるが、そのイメージを捨てて読んでみてほしい一冊である。

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まじめな書評になってしまった。
堅苦しいかもしれないので、友達からもらったDVDを紹介しよう。。

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こういう顔すきです。体はエロすぎるけど・・・。