小泉さんの引退表明について。

前回の選挙が終わり、もう一期続けてくれという声も大きい中、総理を辞めるということになったわけだけど、もう当時で60才超えていたわけだ。私は既に郵政選挙の時から彼は任期が終わったら首相を辞めると思っていた。

あんなキツイ仕事も6年もやったわけだから、そらあさっさと引退して悠々自適したいだろうさ。独身の小泉さんは首相をやっている限り、お気に入りの女性と会うことすら、ままならないだろう。

首相という日本の権力の頂点についたんだから、ストイックに国民のための殉死しなさい、ということなんだろうか?そんなこと言っていたら、優秀な人は誰も首相なんかやりたがらないよ。そんな理想の聖人君子を求める風潮こそ、おかしい。人間は誰しも欲があるものだ。それを変に抑えることが、むしろおかしな風潮を生む。ストレスを生むのだ。

それで、今回の引退表明だ。びっくりしている人が多いと聞く。そのことにびっくりする。彼は郵政選挙で当選したときから任期がきたら、辞めるつもりだったとおもうよ。

格差を拡大しただのと批判している奴がいることにもびっくりだ。
一時的な所得格差拡大は必然だ。これだけ経済がグローバル化してるんだもん。中国やインド、BRICS諸国などの平均所得と日本人の平均所得を比べてみれば分かる。格差どころの騒ぎではない。

元々日本の中だけ、平均年収を高く保ち、そのツケを発展途上国にまわしていただけの話だろう。その発展途上国が経済発展し先進国の仲間入りをしつつあり、また情報化社会の進展により、自分達が先進国に搾取されていた事実を知り、その力を背景に、日本などの先進諸国に圧力がかけられつつあるのだ。

つまり、世界的に平均所得が平準化する流れなわけだ。日本だけがそれに抵抗することは許されないだろう。その準備段階が、小泉構造改革だったわけだ。日本だけでみれば格差拡大だが、世界的に見れば格差は是正されつつある。世界的にみて許される範囲で、世界的な格差是正の流れに乗り、でもできるだけ日本が優位に立てるようにする、という難しい舵取りを迫られているわけだ。つまり、日本は世界からみても、これだけの成果をあげているから、平均所得がこれだけ高くてもいいよ。と言われる政治が求められていたわけだ。

さらに、その構造改革は、あまり喧伝されない世代間の格差是正に重要な意味を持っていた。しかし選挙に行く人間は、高齢者のほうが比率が大きい。しかも過疎地の老人ホームなんかでは、認知症のお年寄りに、半強制的に特定の候補の名前を書かせるケースもあると聞くし、集落全体でマイクロバスに乗って投票所にいくケースもあると聞く。

世代間格差の是正を現状の選挙制度の下で行うのは非常にリスキーなわけだ。団塊以上の世代は現行制度のままだと得をするが、30代未満は確実に損をするという試算がある。20代は生涯平均年収にして1億円の格差があるという話も聞く。

それにチャレンジした小泉さんはすごいと思うし、これ以上やると老害になると考え、引退するのも立派である。本当は気骨のある後継者が出てくるべきだった。だが、その後継者は抵抗勢力により抹殺されたのかもしれない。

ワーキングプアの問題などをマスコミに煽られて若年層で構造改革にNO!を唱えているものが居ることには危機を感じている。昔っから、若年層は終身雇用年功序列のサラリーマンシステムの下、そもそも搾取されてきたのだから。

#だれかのブログに書いてありましたが、橋下大阪府知事とかに首相やらせてみるの、いいかもね。でも、彼が首相になれる仕組みは今のところないね。せいぜい改革の担当大臣に任命されるくらいしか。

追記:はい、BRICsのIはインド、Cは中国です。sは南アフリカっていう場合もあるけど。
で、このエントリで言いたかったことは、世界60億人をひとつのコミュニティとしてみれば、ものすごい格差社会で、物価が違うからとかあるかもしれないが、たしかに生活必需品の物価は低所得国では低いが、生活を豊かにする部類の製品の物価は先進国と変わらないわけで、そこがやはり大きな格差になっていて、それを是正する方向に動いているのは間違いないわけです。

まあ、液晶テレビとか、パソコンとかは月収1万円が平均所得の国の国民にとっては、高嶺の花なわけですが、日本では、ネットカフェ難民でもその環境が当たり前なわけです。
これはものすごい格差だよね。さあ、これを是正せよと真剣に考え、選挙でこのことを真剣に政策に訴えている政党があるか?
所詮、日本で言われている格差問題ってのはこの程度の話なんです。
世界のこの問題に対処できるのは、世界のみんなが共通してもてる夢と、世界のみんな豊かな生活をするためのさらなる技術革新しかないのです。

おれはこの国の政争で議論されているレベルの低い話に心底失望しているが、日本村、村役場の選挙活動と思えば、それも仕方ないかと思える。