先日お見舞いに行った、とある某市民病院での出来事。
そもそも行く前からそれはあった。
現地に着いてからもそわそわと落ち着かない。
見舞いだと言うのに上の空である。
そしてそれは急激に腹部を刺激しだした。
ヤツの名は「便意」。
最恐最悪の宿敵である。
急いでトイレを探す。
ここは病院、いくらでもあるはずである。
しかしここは3F、婦人科的なフロアのため女性用ばかりが目に付く。
ようやく見つけたトイレ(車椅子可・男女兼用)を発見!!
・・・・・・使用中である。(多分便器がひとつ)
仕方が無いので非常階段を使い2Fに降りる。
すでにオレの腹が非常事態である。
2Fに降りたのは良いが若干雰囲気が違う事に気付く。
何やら手術室的なフロアの様で、
身内の安否を心配する人達が神妙に座っていた。
どことなくテレビドラマで観た様な光景である。
全員こちらを見ている。
さすがにその人達の前を通り過ぎる事が出来ず、
オレはすぐ様引き返し意を決して1Fに降りる。
ラッキーな事に1Fに降りるとすぐに男性用トイレがあった。
さすが1F、人通りが多い。
オレは平静を装いつつ急いでトイレの個室に駆け込む。
とりあえず大惨事を回避する事には成功した。
ホッと一息ついた時、あるモノが視界に入る。
「呼び出し」ボタンである。
成る程ここは病院、不測の事態に対応するためだろう。
オレは勝手に納得していた。
トイレットペーパーを手に取り、
最後の仕上げにかかろうとして身体をひねったその時・・・
けたたましい音が鳴り響く。
個室の中でオレが不測の事態である。
どうやら「呼び出し」ボタンに腕が当たった模様。
トイレの入り口付近から「どうかされましたかぁぁぁ???」
と、大きな声で優しく気遣う声が聞こえた。
「いえ大丈夫です。ちょっと下痢で・・・」
オレは一体何を言っている???
「いや・・・スミマセン、間違えてボタンを押してしまいましたぁぁぁ」
すぐ様言い直す。
「・・・そうですか、分りました」と、係の人が帰って行く。
今、ちょっと笑ってやがったな???
トイレに人の気配が無くなるのを待って、
MGSのスネークさながらに人目につかない様その場を立ち去ったのだった。