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Derek and the Dominos「Little Wing」
5月2日からNetflixで「T・Pぼん」のアニメシリーズが配信されましたね。楽しみにしていたので毎日少しずつ視聴しています。映像も音楽もクオリティが高くて、演者さんでは特に主役の並平凡役の声優、若宮晃久さんの演技に第一話からググッと惹き込まれました。原作は新装版が発売され、続いてコデックス装愛蔵版の発売も予定されています。7月17日にはアニメ第2期の配信も控えているので益々期待が高まります。
さて、今回のシリーズアニメ化でやはり原作初出が1978年なので約46年の時を経ていますから、凡がスマートフォンを持っているなど細かなところで現代に合わせた設定に置き換えられています。
その中の一例として、原作第一話「消されてたまるか」において、凡の同級生である白石鉄男が彼の自宅で、デレク・アンド・ドミレスのレコードをかけ、リトル・ウィングという曲の演奏の素晴らしさを凡に語る場面があるのですが、今回のアニメ第一話では、クラシックのレコードを真空管アンプで聴かせて真空管の音色の良さについて語るという、ある意味、時代に左右されにくい、不変的なシーンに変わっていました。
原作にあったデレク・アンド・ドミレスは、部屋に置かれたLPジャケットの絵からも、エリック・クラプトンが在籍したロックバンド、デレク・アンド・ザ・ドミノスである事がわかります。
デレク ・アンド・ザ・ドミノスのアルバム「いとしのレイラ」
上の写真の私が所持している物は1970年に発売された「ポリドール盤」のものです。
同アルバムは1970年リリース以降、販売元が変わるなどで数回リイシューを重ねており、原作のレコード盤には牛の絵が描かれている事と、原作初出年から考察して、1975年にRSOレコードより再販された通称「赤ベコ盤」と呼ばれるものと思います。
藤子・F・不二雄先生がクラプトンを聴いていたとは考えにくいので、恐らく当時のアシスタントの方(えびはら武司先生かな?)の趣味ではないかと考えます。
アルバムタイトルにもなっている「いとしのレイラ」は、クラプトンの代表曲で、1992年に発売されたアコースティックライブアルバム「アンプラグド」の収録バージョンも有名。
「リトル・ウィング」はオリジナル曲ではなく、1967年にジミ・ヘンドリックスが発表した楽曲のカバーです。
デレク ・アンド・ザ・ドミノス
ジミ・ヘンドリックス
クラプトンのカバーの方が歪み系の音色でロック色が色濃く出ており、ジミヘンは比較的クリアな音色で哀愁がありますね。
個人的な話ですがクラプトンの1995年来日時に大阪城ホールへ一度ライブを観に行きました。しかしその頃のクラプトンはブルース回帰という事でブルースオンリーのかなり渋いライブツアーを敢行しており、未成熟な私には正直なところまだブルースの良さがよく分からなかった思い出があります...
当時のライブパンフレット
余談になりますが、今回のアニメで鉄男がかけていたクラシック曲は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番。レコードのレーベルには指揮者表記が「NAOKI AMANO」となっていました。これは今回のアニメプロデューサー天野直樹さんの名前ですね。背景に映っていた鉄男の父親のオーディオコレクションは、レコードプレーヤーについてははっきり映っていなかったので解りませんでしたがアンプとスピーカーは以下でした。いい趣味してますね。
真空管アンプ TRIODE Ruby
スピーカー JBL 4312MⅡ